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香港政府、来年度の財政予算案発表 給付金廃止、毎月夜空に新企画も

2024-25年度の財政予算案を発表した陳茂波(Paul Chan)財政長官

2024-25年度の財政予算案を発表した陳茂波(Paul Chan)財政長官

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 陳茂波(Paul Chan)財政長官は2月28日、2024-25年度の財政予算案を発表した。

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 ポストコロナ禍の時代が到来したことで、4年連続で支給していた電子マネーを廃止するほか、不動産の購入に関する抑制措置を撤廃するなど、政策を行うことで景気を刺激する一方、2008年から休止していた宿泊税の復活させ、少しでも財政状態の悪化を防ごうとする様子が見られる。

 2023年の経済成長率は、コロナ禍が終わったことで経済活動が大きく回復したことから3.2%の成長だった。2024年はウクライナ、パレスチナなどの不確定要素の影響で世界経済の回復にも不安定さが増すと予想されることから、2.5~3.5%の成長になると予想した。

 2024-25年度の一般歳入は6,330億香港ドルを予定し、支出は7,769億香港ドル。これに政府債券など財政予算案の歳入に組み込んでいないその他の収入を計算すると、最終的に481億香港ドルの赤字予算となる。

 2024年3月31日の財政備蓄は前年の7,332億香港ドルだが、2025年3月31日は6,851億香港ドルにまで備蓄額が減少する。2018-19年度に過去最高の1兆1,700億香港ドルあったが、コロナ禍の経済的影響から回復するため歳出を増やした結果、ここ数年で42%も財政備蓄を減らしたことになる。しかし、2026-27年度からは経済成長を続け、歳入が歳出を上回るとして2029年3月末までに8,322億香港ドルまで回復すると見込む。ただ、香港政府は小さな政府から大きな政府にシフトしており、財政改革がうまくいかなければ、備蓄額はどんどん縮小していく可能性がある。

 歳出を分野別に見ると、社会福利=1,362億香港ドル(シェア16.4%)、衛生=1,279億香港ドル(同15.4%)、教育=1,157億香港ドル(同14.0%)と、ここ数年、トップ3は同じ顔触れで、総支出額の45.8%と全歳出の半分近くを占める。それに続くのが、インフラ整備=1,061億香港ドル、各種サポート=836億香港ドル、保安=684億香港ドル、経済=564億香港ドル、住宅=540億香港ドル、環境・食物=497億香港ドル、社区と対外事務=318億香港ドルなどとなった。

 コロナ禍期間中の目玉政策だった18歳以上の永久居民に対して、これまで4年連続で現金や電子マネーを給付してきたが、今年は行わないこととなった。

 香港経済を支える不動産だが、価格低迷を打破するため、不動産購入時に発生する「額外印花税(Special Stamp Duty)」、「買家印花税(Buyer’s Stamp Duty)」、「新住宅印花税(New Residential Stamp Duty)」の3つを廃止。住宅購入や投資を促す。住宅では、8画分の住宅用地を売却し1万5000戸の住宅造成を実施する。民間住宅では、2024年から5年間で年平均1万9000戸を供給し、この先3、4年で民間住宅の供給量は10万9000戸と見積もっている。公営住宅では30万8000戸分の土地を確保するとしている。

 回復が遅れている観光業を活性化させるため10億9,000万香港ドルを投入する。毎月、花火とドローンを使った新しい形の「シンフォニー・オブ・ライツ」を行うほか、街歩きをテーマにしたアクティビティー、「西貢海藝術節(Sai Kung Hoi Art Festival)」や「設計#香港地(Design District Hong Kong)」などの継続開催を決めた。2024年上半期だけで新興のゴルフツアーのLIVやコンサートなど合わせて80以上のイベントを開催することが決まっている。

 所得税は、上限を3,000香港ドルとして予定納税額の100%を減免する(前年は6,000香港ドル)。法人では、事業所得税は、上限が個人所得税と同じ3,000香港ドルを上限に100%免除される。香港政府に支払う土地のレーツについては、最初の1回目を上限1,000香港ドル免除する。

 初めて電気自動車(EV)を購入する人に対して、登録税が課されるものの40%減額される優遇措置が2026年3月まで延長される。併せて、一般向けのEV購入時は上限5万8,500香港ドル分が減免される。

 生命や健康について研究をしている大学や研究機関に60億香港ドルの予算、香港映画のさらなる発展目指す「電影発展基金(Film Development Fund)」には14億香港ドルの予算を付けた。

 一方、歳出過多を是正すべく歳入の増大も図る。まず、企業が毎年政府に支払う「商業登記費(Business registration fees)」は2024年4月1日より200香港ドル増の2,200香港ドルに引き上げられる。

 宿泊税は以前徴収していたが、2008年に観光業のさらなる発展を目指して一時凍結された。しかし2025年1月1日より、徴収を再開する。1泊の平均宿泊料2,350香港ドル以上のAクラスのホテルは1泊70香港ドル、同1,100香港ドルのBクラスは同33香港ドル、同730香港ドルのCクラスは22香港ドル、同380香港ドルのゲストハウスは同11香港ドルに設定した。宿泊税により、年11億香港ドルの増収を見込む。

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