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香港に新しい公園施設「如心園」 多くの木化石を展示

公園内の様子

公園内の様子

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 香港の大手デベロッパー華懋集団(Chinachem Group)が昨年12月29日より、香港初の木化石に特化した公園「如心園(Nina Park)」(8 Yeung Uk Road, Tsuen Wan, New Territories, Hong Kong)を無料で開放している。

展示されている木化石

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 7万平方フィートの敷地に100以上の珍しい木化石を展示するほか、体験館などもあり、レジャーと教育を兼ねる新しいスポットとして注目が集まっている。

 大手デベロッパーとして多くの物件を開発・所有している華懋集団。特に●湾(Tsuen Wan)にある如心廣場(Nina Tower)は、高さ約319メートルと香港屈指の高さを誇るオフィスビルで、併設するショッピングモール「如心広場(Nina Mall)」にはMUJIやマツモトキヨシなど多くの日系企業も入居している。

 華懋集団の創業者である王德輝さんは2度誘拐され、1度目は戻ってきたが、2度目は戻ることができず、裁判所から1999年に法律上、死亡したという判断が下されている。その妻で華懋集団を共に創業したのが●如心(Nina Wang)さんで、夫の跡を継いで会社を経営していた。三つ編みおさげの髪形がトレードマークで、経済誌「フォーブス」の富豪ランキングでは中華系女性の中でナンバーワンの富豪に輝いたこともある。

 ●如心さんは2007年に亡くなったが、生前、莫大な資産を保有し、コレクションをしていたのが木化石。同グループは最近では「中環街市(Central Market)」の再生事業をするなど、単なる不動産開発以外にも、社会的に意義のある事業に手を広げている。そこで中環街市に続く第2弾として如心廣場の南西部にある広大な敷地を活用し、7万平方フィートの公園を造り、木化石などを展示することを決めた。香港の政治経済の中心地は香港島だが、同グループの本社を構える●湾に造成することで、「小さい香港ではあるが地方の活性化にも寄与したい」としている。

 木化石以外にも、体験館、自然などをテーマにした芸術作品もいくつか展示することで木化石と芸術を融合した空間を演出。噴水なども設置して市民が気軽に立ち寄れる公園に仕上げた。 

 木化石は、インドネシアを中心に世界各地のものを約100個展示。年代は260万年から530年前のもので、例えば、「日石」と呼ばれる全長27メートルの木化石があるが、これは世界で7番目の大きさを誇る。「月石」は、インドネシア、ジャワ島にあった石で、こちらも全長25メートルもある巨大なもの。この木化石すぐ横には、同時期に生きていた象の骨の模型も展示しており、木化石が存在していた時代を想像しやすいようにしている。

 これら屋外に展示しているのは、雨風にさらされることからそのまま展示しては風化が避けられない。そこで、表面に特殊な処理を行い、隙間に水が入らないようにするなど、防腐処理を施した。

 体験館は2階建てで、16のテーマに分かれている。ジュラ紀や鮮新世の時代の木化石も展示しているほか、テクノロジーを駆使して、どのように石化していくのかが分かるよう工夫する。ワークショップなども開催し、より深い化石の知識を学ぶこともできる。

 太陽発電を活用して公園の電気の4分の1を賄っているほか、雨水を循環するシステムを使い、公園内にある植物に供給したり公園内にある噴水に活用するなど、環境に配慮した設計となっている。

 営業時間、公園=10時~22時(無休)、体験館=10時~18時(月曜休館)。入園・入館無料。

 ●=草かんむりに全、●=龍かんむりに共

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