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香港日本人合唱団、コンサート開催へ 香港の名曲「獅子山下」も全員合唱で

11月9日に恒例の「秋のコンサート」を開催する香港日本人合唱団

11月9日に恒例の「秋のコンサート」を開催する香港日本人合唱団

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 香港日本人合唱団が11月9日、Methodist International Church(Wesleyan House, 271 Queen’s Road East, Wan Chai, Hong Kong )内のThe Sanctuary Hall で恒例の「秋のコンサート」を開催する。会場は380人を収容できる教会のホールで、音の反響なども良いことから、昨年に続き同じ会場で行う。

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 同団の設立は1960年代で、香港日本人倶楽部内の同好会として発足し、その後、独自に活動を続けて60年以上がたつ。歴史ある同団は、当初は日本人だけでスタートしたものの、現在は団員数60人を数え、現在も20~70代の団員が集う。過去に合唱団や音楽大学を卒業したなどの経験者もいるが、8割が「初めて合唱に参加する人」だという。

 最近では香港人の入団希望者も増え、10~15人が「日本語が分かる」、もしくは「日本の歌を歌いたい」香港人が入団しているという。「香港はアジアの中では日本と同じように子どもの頃から歌う習慣や機会がある」と男声、混声合唱の指揮者を務める金山宗高さんは話し、「小中高のコンクールや大学にも名門の合唱団があるほか、社会人が集まる合唱団などもあり、前回も来場者の3~4割は香港現地の方だったようで、香港はもともと合唱を受け入れる土壌がある」と分析する。

 コロナ禍は一時20人程度まで団員が減ったものの、徐々に回復し、現在は週1回、男声、女声、混声の3つのグループに分かれて、上環や天后のコミュニティセンターなどで練習に励む。

 「毎週2時間も練習するとぐったり心地よく疲れる。この練習の後に飲むビールもおいしいし、世代も違う、仕事も違う仲間と楽しい時間を過ごせることが何より」と金山さん。「歌は体が楽器。精神状態で歌声は変わる。楽しくやることが結果的に良い音楽になる」とも。金山さんと同様に混声合唱を率いる藤沼玲さんは「とにかく敷居は低い。気軽に参加してほしい。ピアノの伴奏ができる人も探してる」と加える。

 今年のラインアップは、女声は北原白秋作詞、山田耕筰作曲の「この道」、昨年NHK「みんなのうた」に登場したメッセージソング「ポプラの伝言」、YOASOBIの「群青」ほかを予定。男声は、クィーンの「ボヘミアン・ラブソディ」、「酒と泪(なみだ)と男と女ほか」、混声は「アナと雪の女王メドレー」、荒井由実の「飛行機雲」、現在中高生が合唱コンクールなどで歌う機会も多い「信じる」など、バラエティー豊かな曲が並ぶ。曲目も団員たちでコンサートが終わるごとに翌年の候補曲を決めて練習に打ち込むという。

 今年のハイライトは全員合唱として準備した「獅子山下(ライオンロックの下で)」。「香港人の心の歌」として歌い継がれる名曲だが、練習では香港人たちがリードしながら、日本人たちは意味を理解したり、広東語の発音を学んだり、朗読を行ったりするなどして、当日は会場全体で歌えるように準備を進めるという。

 「コンサートは子どもが入れないところもあるが、このコンサートは小さな子ども歓迎。子どもも楽しめるようにディズニーの曲も用意した」と藤沼さん。

 15時10分開場、15時30分開演。プログラムは約1時間30分を予定。入場無料(要電子チケット)。現在は申し込み多数のためキャンセル待ちとなっている。

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