東京・世田谷区の三軒茶屋を拠点とするチーズケーキ専門店「Cafe The SUN LIVES HERE」が11月14日、香港・尖沙咀の大型商業施設「K11 MUSEA」(Unit 21 of Shop No. B201 on Basement 2 of K11 MUSEA 18 Salisbury Rd, Tsim Sha Tsui)に海外初となる常設店をオープンした。
同ブランドは、2012年にIT企業出身の相良恭平さんが、たまたま訪れたニューヨークでの食体験に触発され、カフェを開くという夢を追いかけることを決意し起業したことから始まる。「Cafe The SUN LIVES HERE」の店名は「人の生活にぬくもりをもたらす場所にしたい」との思いから名付けた。1号店を出店した三軒茶屋に根差して現在4店舗を展開するほか、日本全国で催事出店している。
香港には2023年に1度、銅鑼湾・SOGOにポップアップ出店した。その時の反応が良かったことや、販売パートナーとして、日本製品を取り扱うECサイト運営会社「YAICHI」とタッグを組むことができたことなどから初の海外常設出店に至った。三軒茶屋のファクトリーで作った商品を運び販売する。香港の店舗にも三軒茶屋駅のサインを模したプレートを設置し、拠点である「三軒茶屋」をアピールする。
「チーズ」と「ミルク」をかけ合わせて名付けた同店の看板商品「CHILK」(65香港ドル)は、牛乳瓶をイメージした小さな瓶に、3種類の異なるチーズケーキを3層構造で瓶詰めしている。1層目は、北海道根釧地区の乳脂肪分47%純生クリームと十勝産クリームチーズを使った「濃厚生クリームチーズケーキ」、2層目は生乳100%ヨーグルトを使いさっぱりとした「ホワイトミルクチーズケーキ」、3層目は、自家製のサワークリームを使った濃厚な「NYスタイルチーズケーキ」で、2、3層目を先に瓶詰めして焼いた後、1日寝かせてから1層目の生クリームをのせて完成させるという。
「おいしいものを作るのは当たり前。街に足りないものを考えながら商品開発をしている」という相良さん。同商品も、「三軒茶屋を代表する土産をつくりたい」との思いがきっかけで生まれ、2017年には世田谷区から「世田谷みやげ」に認定された。香港の店では、過去の催事出店で人気があったプレーンのほか、ストロベリーや抹茶、香港初登場のブルーベリーやマロンのフレーバーも販売する。
その他、オンラインショップで人気がある、濃厚なチーズケーキを2枚のクッキーで挟んだ厚さ4センチの「Cheesecake sandwich」(68香港ドル)や、日本でも今年5月に発売した新商品の焼き菓子「CHILK COOKIE」(88香港ドル・5枚)などの商品も用意する。
相良さんは「三軒茶屋の店にも最近はインバウンド観光客が訪れるようになっている。アジアの中心都市である香港の大型モールに店を構えることで、多くの人にブランドを認知してもらい、商品はもちろん、東京を訪れた時に三軒茶屋にも足を運ぶきっかけになれば」と期待を込める。
営業時間は11時~20時。