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香港にチーズに特化したバー「ROUCOU」 ワインや日本酒とペアリング

香港初のチーズおまかせ&バー「ROUCOU」が 3月17日、中環のSOHOにオープンした

香港初のチーズおまかせ&バー「ROUCOU」が 3月17日、中環のSOHOにオープンした

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 フランスと日本の職人技を融合させた香港初のチーズおまかせ&バー「ROUCOU」(G/F, 28 Aberdeen Street, Central 9603 6591)が3月17日、中環のSOHOにオープンした。

同店の「フロマジェ」のジェレミー・エヴラールさん

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 チーズ大国フランスでは、酪農から製造、熟成、販売に至る一連の従事者を「フロマジェ」と呼ぶが、同店はフロマジェのジェレミー・エヴラール(Jeremy Evrard)さんが開いた。オープンサンドやベイクドバロンバイゴッドなど、チーズの多様性をさまざまな角度で紹介する。ジェレミーさんの「チーズ作りへの情熱と料理の伝統への深い理解を掛け合わせて誕生した」という。

 ロワール渓谷の緑豊かなル・モン牧場の出身であるジェレミーさんは、若い頃からチーズ作りの技術に没頭していた。学校が終わると、ブルゴーニュの近隣の酪農場によく出かけ、そこで尊敬するチーズ職人、Bernard Antony(ベルナール・アントニー)さんに出会った。ベルナールさん指導の下、ジェレミーさんは伝統的なチーズ作りの世界に足を踏み入れた。ベルナールさんは何世代にもわたる秘伝のレシピや熟成技術を伝えたという。こうした30年に及ぶつながりが、「職人技を駆使したチーズを世界に紹介する使命を担うように」ジェレミーさんを動かしたという。

 ジェレミーさんのキャリアはパリで始まったが、その後は香港で、フォーシーズンズとザ・リッツカールトンなど、アジアでの20年以上にわたり仕事をしてきた。

 店名の「ROUCOU」は、ベニノキの種子から抽出される色素「アナトー」からインスピレーションを得たもの。職人技を込めたチーズを中心とした日仏料理を、多彩なモダンカクテルと一緒に提供する。店内の空間は、アースカラーとオーク材の調度品でまとめた。天井の和傘や伝統的な障子戸など、和のデザイン要素も店内の雰囲気を高めている。和紙扉の奥には、おまかせコース用の席8席があり、ジェレミーさん独自の解釈によるキュレーションでメニューを提供する。伝統的なチーズクラフトにスポットを当て、その起源や生産者の情熱を物語る特徴的な品種を紹介して自然熟成の技など、チーズの「奥深く、独創性や調和したバランス」なども解説していく。

 バーメニューはブライソン・リヴェラさんが監修し、チーズを引き立てるよう考えたという手作りドリンクもそろえた。アペリティフ(Aperitif)では、棒状のクリスピーなパン「アリュメット(Allumette)」や、チーズを混ぜたシュー「グジェール (Gougeres) 」(以上48香港ドル)、メルト(Melt)のカテゴリーでは、のりとライムクリームを使った唐揚げ「Karaage」(88香港ドル)やバター風味のサクサクとしたシュー生地をベースに、新鮮なアーティチョークとローストした松の実を組み合わせた「Melted Open Sandwich」(108香港ドル)などが看板メニュー。「Baked Baron Bigod」は、チーズにはフランス産牛乳から作る伝統的なブリー・ド・モーを使い濃厚でクリーミーに仕上げた。チーズ盛り合わせ5種類(198香港ドル)、8種類(288香港ドル)なども用意する。

 ジェレミーさんは「職人技」への理解を深めるため5年間、日本で暮らした経験がある。地元の田植え文化に引かれ、きちょうめんさ、規律正しさ、自然への深い敬意を身につけ、料理哲学を確立したという。香港に戻り、「複雑な風味について次世代を教育することに専念し、全ての料理に調和を生み出すことを大切にする」とジェレミーさんは話す。

 営業時間は、バーエリア=17時~翌1時(金曜・土曜は15時~)、Omakaseエリア=18時~23時。日曜・月曜定休。

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