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第49回香港国際映画祭開幕 2019年以来初めて全映画館で上映

第49回香港国際映画祭(HKIFF)が開幕

第49回香港国際映画祭(HKIFF)が開幕

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 「第49回香港国際映画祭(HKIFF)」が4月10日に開幕した。12 日間にわたって行う同映画祭のオープニングは西島秀俊さん主演の「懺悔(ざんげ)有時(The Brighten Sun/邦題「時には懺悔を」)」と廖子妤(フィッシュ・リウ)さんが主演を務める「揺籃凡世(Pavane for an Infant/幼な子のためのパヴァーヌ)」が上映される。一方、クロージングはノルウェー映画の「性愛夢之做夢(Dreams〈Sex Love〉)」に決まった。

『百円の恋』に出演した安藤サクラさんも来港する

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 HKIFFは2026年に50回目を迎えることから、来年につながる映画祭にしたいと考えている。大きな理由として、香港映画の低迷がある。日本では「九龍城寨之圍城(Twilight of the Warriors/トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)」がヒットした。加えて、「破・地獄(The Last Dance/ ラスト・ダンス)」も2024年の興行収入で1億香港ドルを記録したことから、はた目には香港映画が好調に見える。しかし、現実は映画館の閉鎖が相次いでおり、HKIFFを香港映画の活性化させる起爆剤としたいと考えている。

 今回は、世界69カ国・地域から約195作品が7会場で約300回にわたって公開する。そのうちワールドプレミアが6、インターナショナルプレミアが2、アジアンプレミアが52となった。

 オープニング映画の「時には懺悔を」は、家族から目を背けた男、娘に捨てられた女、子どもを生きる糧にした男、自分が産んだ子どもを愛せなかった女など、過去に大きな傷を負った大人たちが重い障害がありながらも今を必死に生きる一つの小さな命によって、生きる力を取り戻していく物語。もう一つの「幼な子のためのパヴァーヌ」は、マレーシアの赤ちゃんポストを守る一人の女性ソーシャルワーカーの目を通し、根強く残る家父長的な男性優位社会の姿をあぶり出し、女性たちが背負わされてきた苦難の歴史を描いた作品。

 クロージングの「Dreams」はベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞を受賞した作品。オスロの高校に通う17歳の女子高生が女性教師に恋をする。その思いは報われなかったが、教師への思いを自らの体験を通じて執筆する。

 ほかに上映されるプレミア映画の中で、黄秋生(アンソニー・ウォン)さん主演の「不赦之罪(Valley of the Shadow of Death/赦(ゆる)されぬ罪)」と第38回香港電影金像奨で最優秀新人監督賞を受賞した陳小娟(オリヴァー・チャン)監督が手がけた「虎毒不(Montages of a Modern Motherhood/母性のモンタージュ)」も2つの香港映画も家族関係に焦点を当てている。

 他の注目は「五個小孩的魔煙(The Devil Smokes)」は、エルネスト・マルティネス・ブシオ監督がベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞を受賞した作品でアジアプレミア。物語は1990年代のメキシコで5人兄弟の母親が突如失踪し、妻を探しに行った父親も失踪し、子どもたちは一緒に住む祖母が取り残されてしまい…。イタリアの映画監督、パオロソレンティーノさんが製作した「拿坡里的美麗傳説(Parthenope)」は、1950年代にナポリで生まれたパルテノの今に至るまでの生涯を描く。愛への情熱と幻滅、そして、街の美しさも併せて描いている作品。

 HKIFFは、ほぼ毎年、日本の監督や俳優に注目しているが、今年は安藤サクラさんに焦点を当てた。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得した「100円的愛(100 Yen Love/百円の恋)」と「小●家族(Shoplifters/万引き家族)」の2作品のほか、「0.5毫米(0.5mm/0.5ミリ)」などの映画が香港で観賞できる。安藤サクラさんも来港し、「百円の恋」の上映後、舞台あいさつ行う予定となっている。

 料金は、55~100香港ドルの範囲で細かく設定。回数券形態のチケットもあり、チケットを10~19枚まとめて買うと10%引き、20~40枚買うと15%引きになる。VIPパスは5,000香港ドル。チケットは、城市售票網(URBTIX)やHKIFFの公式サイトで販売してる。4月21日まで。

 ●=にんべんに兪 

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