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マンダリン香港のバーが新カクテルシリーズ 「渋み」をテーマに

日本哲学から着想を得たというカクテルシリーズ「シブミ」

日本哲学から着想を得たというカクテルシリーズ「シブミ」

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 香港のラグジュアリーホテル「マンダリン・オリエンタル香港」25階に位置する日本居酒屋をテーマにしたバー「The Aubrey」が8月4日、新たなカクテルメニュー「The Art of Shibumi(シブミの芸術)」の提供を始めた。

日本の伝統的な製本技術を用いた手縫いのメニューブック

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 監修を務めるのは、イタリア出身のステファノ・ブッシ(Stefano Bussi)さん。3月に同店のバーマネジャーに就任したブッシさんはマカオのVida Rica Barを経て、2024年にはDiageo World Classで「Bartender of the Year」に選出された。

 日本哲学から着想を得たという「Shibumi(シブミ)」は、日本の美学における概念で、「控えめでありながら奥深い美しさを意味するもの」と解釈する。ブッシさんはこの哲学をカクテルに落とし込み、「派手さではなく、時間とともに静かに現れる味わい」を追求したという。

 メニューのデザインも日本的なものを採用し、日本の伝統的な製本技術を用いた手縫いの冊子には、金の筆致や手描きの模様を施し、視覚・触覚・味覚の全てで「渋み」を体感できるようにしたという。「シブミは、私がカクテルに求める全てを体現している。目立つことではなく、静かに語りかけること。全ての要素が意図的でありながら、過剰ではない」とブッシさんは言葉を紡ぐ。

 新メニューは、従来のスピリッツや技法による分類ではなく、「Elegant(優雅)」「Refined(洗練)」「Imperfect(不完全)」「Balanced(均衡)」という4つのスタイルで構成したという。

 Elegantでは、花の香りや軽やかな味わいが特徴。桜とジャスミンが香る鹿児島の芋焼酎「Daiyame」を使った「Hanakotoba」や、梅酒とウーロン風味の漬けたブドウを使った「Kanso Martini」が登場。ほかにも、バーボン、焼酎を使う「Yohaku Negroni」など。クラシックなグラスを採用している。

 Refinedは、複雑な層と意外性のある素材を組み合わせたスタイル。のりやみそ、ピスタチオなどを用いた「Shizen Sour」「Chinmoku」を用意した。

 Imperfectでは、日本の「侘(わ)び寂(さ)び」から着想を得た、「非対称で予測不能な味わい」を追求する。バナナとワサビを使った「Wa-Bi-Sa Negroni」や、和牛オイルとピーナツバターを融合させた「Flawed Martini」なども用意。各スタイルの代表的カクテルをノンアルコールで再構成したBalancedも開発した。

 各スタイルに対応した3種のハイボールも用意。ブッシさんのイタリア的感性と日本文化が融合した「Mio Highball」も用意。Mioはイタリア語で「私のもの」を意味する。

 ブッシさんは、低温で凍結させるクライオ濃縮や素材保存技術などの技術も取り入れ、「味の奥行きを保ちながらもバランスを崩さないカクテルづくりを心がける」という。

 営業時間は、ランチ=12時~14時30分、カクテル=12時~翌1時(金曜・土曜は翌2時まで)、ブランチ=12時~14時(土曜・日曜)、ディナー=18時~22時(金曜は21時まで)。

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