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香港競馬、沙田でシーズン開幕 両競馬場は100億ドルかけ大規模改修

競馬初日の競馬場の風景

競馬初日の競馬場の風景

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 香港競馬2025-26年シーズンが9月7日、沙田競馬場(Shatin Racecourse)で開幕した。当日は台風「塔巴(Tapah)」の接近でシグナル3が発令されたが、 初日の売り上げは前年比5.4%増の13億9,900万香港ドル、入場者数は前年の4万2556人から4万3259人に増加した。近年、日本を含めた世界的な風潮としてスポーツ施設のエンターテインメント化が進んでいるが、香港賽馬会(HKJC)は沙田競馬場に新たな施設を新シーズンに合わせて2つオープンし、観光客や新しいファンの獲得に努めようとしている。

香港最強のスプリンターであるカーインライジングとザカリー・パートン騎手

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 2024-25シーズンはHKJC6人目の女性ジョッキーとなった黄寶●(Britney Wong)騎手がデビューし、18勝を挙げた。今年はさらにどれだけの勝ち星を積み上げられるかが注目される。今シーズンは、これまでに1878勝を挙げているザカリー・パートン騎手がHKJCの歴史の中で前人未到の2000勝に達するかどうかにも関心が集まる。2024-25シーズンは138勝したことから、今シーズン達成する可能性が十分にある。

 競走馬では、香港最強のスプリンターであるカーインライジングが、10月にオーストラリアで開催されるG1レース、ジ・エベレストに参戦することが決まっている。このレースは、芝レースとしては世界最高額(約19億円)としても知られている。同馬は、まず開幕日の第3レースの行政長官杯にパートン騎手騎乗で出走し、見事に勝利した。馬・騎手とも幸先の良いスタートを切っている。開催初日はシグナル3が出ていたが、まだ風雨がなく、馬場のコンディションは第1レースから最終の第10レースまで「Good」のコンディションだった。

 現在、HKJCは新しいファンの開拓をするために100億香港ドルをかけて沙田競馬場と●馬地競馬場(Happy Valley Racecourse)を改修している。沙田競馬場では、2025-26シーズンに合わせて、「連薈(Champions Connection)」と「天馬駅(Genso Eki)」の2施設をオープン。両施設は、デジタル技術を駆使してエイターテインメント性を高め、新たな競馬ファンの開拓を狙うという。

 「連薈(Champions Connection)」はグランドスタンド2のエリアに作られ、MTR馬場駅(Racecourse Station)とほぼ直結している。入り口(2階)からまっすぐ進むと競馬場の観客席・コース場に抜けるが、その直前に「Naked-Eye」というデジタルゾーンを設けた。ここには双方向のディスプレーを設置し、サイレントウィットネス、ゴールデンシックスティといった6馬の名馬や騎手についてQRコードを利用して紹介している。

 階上の3階は、チョコレートやクッキー、ビールの販売やみやげ店が並ぶフロアであるほか、NGOによるワークショップの開催も計画されている。4階は「Robotic Horse」という白馬のロボットを置いたが、その動きは自然で、本物の馬にかなり近い完成度でインスタ映えを狙う。

 「天馬駅(Genso Eki)」は「連薈」に隣接して、10月12日にオープンする予定。同所にはAIシミュレーターを設置し、馬券検討のサポートを行う。「Gensoverse」コーナーでは、拡張現実(XR)技術を用いて香港の伝説的競走馬に仮想騎乗する体験が可能となるほか、「Genso Isle」では、馬をテーマにしたアート作品を展示している。自撮り撮影がしたい人向けにはフォトブースも用意した。

 併せて、263席の「Fudo Town」、148席の「Izakaya」のレストラン2店も併設した。料理の詳細はまだ明らかにしていないが、100~600香港ドルのセットメニューを中心とした料理を用意するという。

 競馬場内にある「彭福公園(Penfold Park)」の改修も行っており、2026年1月の完成を予定する。

 ●=女へんに尼。●=足へんに包。

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