
日本で125年以上の歴史ある名古屋コーチンを使う料理を提供する「鶏三和 TORI SANWA」が9月5日、香港の銅鑼湾タイムズスクエア(Shop B224A, B2/F, Times Square, 1 Matheson Street, Causeway Bay)にオープンした。香港初出店となる。
鶏三和は愛知県名古屋で1900年に創業した。2025年6月時点で日本全国に92店舗を展開し、台湾やシンガポールなどすでに海外市場にも進出している。同ブランドは純粋な血統を保った名古屋コーチンを使用した鶏料理に特化しており、煮る・焼く・揚げる・鍋料理など多彩な調理法を通じて名古屋コーチンの魅力を伝えてきた。
100%純種の名古屋コーチンの歴史は1822年江戸時代までさかのぼり、2世紀にわたる血統管理を経て現在まで受け継がれてきた。名古屋コーチンは通常の鶏に比べ、約3倍となる125日もの長い成長期間と約5倍の飼育コストを要する。この長い年月と厳格な管理が「名古屋コーチン特有の力強い歯応えと澄んだうまみを生み出す」という。
同店では調理だけでなく飼育にまで取り組んでおり、グループ5代目となるCEOの古川翔大さんは「私たちは常に、鶏三和のおいしさは地域を越えて心に響くと信じている。名古屋コーチンを育てる最大の生産者として、この特別な味を世界中に広めることが私たちの役割」と海外展開への意欲を示す。今回、海外展開の拠点に香港を選んだ理由については、「香港の人々が和食に寄せる熱意に心を打たれたから」だという。
香港初店舗のメニューには、同ブランドの代表作が勢ぞろいした。看板メニューは「特上名古屋コーチン親子丼」(118香港ドル)。1900年創業以来の味を守り、特製の魚介だしを基盤に、名古屋コーチンの鶏骨スープを加えた「秘伝」のタレを使う。「親子丼で一般的に使われるタマネギは使わず、だしの純粋なうまみと鶏肉本来の風味を引き出すことに注力した」という。
香港独自のメニューとして、水炊き鍋や鶏ひつまぶしなどを展開。「名古屋コーチン鶏肉三種定食」(158香港ドル)はしょうゆダレでじっくり焼いた鶏肉を3通りの方法で楽しむことができる。まずは、そのままのうまみを味わい、次にネギ、ワサビ、のり、塩昆布などの薬味を添えてアレンジし、最後にだしをかけて「お茶漬け」にする。
「鶏三和の水炊き鍋」(298香港ドル)は、希少な名古屋コーチンと鶏骨を煮込み、濃厚なうまみと豊富なコラーゲンを引き出し、乳白色の濃厚スープを完成させる。名古屋から直送された食材を楽しんだ後は、スープにご飯、卵、ネギを加えて雑炊に仕立てる。
「照り焼きチキン御膳」「唐揚げ御膳」(以上118香港ドル)などの「御膳シリーズ」では鶏料理の主菜に加えて、小ぶりの親子丼を提供する。サイドメニューも「焼き鳥」(2本28香港ドル)、「唐揚げ」(42香港ドル~)、「甘醤油(しょうゆ)手羽先」(48香港ドル~)などもそろえる。
香港市場について、古川さんは「成熟したマーケットで、本物だけが生き残ることができると捉えている」と言い、香港市場で長く愛されるブランドとしての確立を目指す。1 号店で足場を固めた後、香港の他の商業施設や中国本土への出店も視野に入れているという。
営業時間は11時30分~22時。