
香港で10月・11月に開催されるイベントを束ねた「日本秋祭 in 香港-魅力再発見-」の開幕式と記者会見が10月9日、中環のEaton Clubで行われた。在香港日本国総領事の三浦潤大使と、香港日本人商工会議所会頭で実行委員長の高波喜一郎さんほか、香港特別行政区政府関係者、立法会議員、日本・香港の経済・文化関係者ら多数が出席した。
「日本秋祭」は2016 年より毎年開催。今年で10回目の節目を迎える。10月から11月にかけて大小さまざまな100を超えるイベントを繰り広げる。
開幕のあいさつに立った三浦大使は冒頭で、大阪・関西万博の成功について触れ、「大阪・関西万博の成功を受け、初めてイノベーションや技術といった分野も取り上げる。主要イベントの一つとして、日本と香港のスタートアップ企業が参加する『イノベーション・テクノロジーシンポジウム』が今月31日、10月の最終日に計画されている」と話した。「日本と香港の関係の広さと深さ、そして香港が世界をリードする芸術・文化の中心地の一つとして持つ可能性を裏付ける」とも。10年目の節目の年、香港社会で力を持つ香港の組織や企業との関係性にも焦点を置き、「新しいチャプターに入った」ことも強調した。
高波委員長は「香港は日本にとって非常に重要なパートナーであり、両者は緊密な経済関係と人的交流で結ばれている」とあいさつ。「今年はイベントの数にはこだわらず、日本の魅力を香港の方々に知ってもらう架け橋にしたい」と話し、「日本秋祭」が経済活動を超えた双方の交流イベントであることを改めて強調した。
会場内には四洲集団、徳島県、佐賀県などのブースを設け、各県の魅力もアピールした。焼酎・泡盛推進グループによる試飲コーナーも設け、「日本秋祭」を通して展開する日本のさまざまな県の酒と食品を紹介するイベントも予定されていることも告知する。
式典では、開催プログラムの中から9つのプログラムの主催団体代表が登壇し、現場でのパフォーマンスや映像、スピーチで各イベントの見どころを紹介した。創団60周年となる香港日本人合唱団は、上環文娯中心で秋のコンサートについての告知をした。
香港ジョッキークラブは、恒例イベント「Happy Wednesday-Japanese Festival」を紹介。同イベントは、日本の食文化や活気ある音楽、テーマ展示などを通じて日本文化を紹介するとともに、競馬観戦も楽しめるイベントで、外国人観光客は、有効な渡航書類を提示すれば、沙田競馬場とハッピーバレー競馬場のパブリックエンクロージャ(有料施設は除く)に無料で入場することができる。
アジアを中心にIPライセンスとコンテンツ流通を手がける羚邦集團(メディアリンク)は、クリエーティブイベント「CREA TiFEST」を開催する。映像・アニメ・ブランド商品・プロモーションを軸に複合的な体験を提供することを目的とし、展示、上映、ライセンス商談、物販、ステージパフォーマンスなどを組み合わせ、来場者に日本発のコンテンツや関連商品を紹介する。
ほかにも、いけばな草月流四代目家元を招くイベントや、日本料理店協会による盆踊りイベント「踊ろう秋祭り」なども紹介した。香港のデベロッパー「信和集團」が展開する「秋祭.漫遊」は屯門市廣場で行われるが、連動プロモーションを実施し、オーシャンパークや富麗敦(フェリックス)ホテルなども期間限定の日本関連企画や優待を実施する。
10月から12月にかけて、AsiaWorld Expoなどで行われる「2025 J POP Concerts」シリーズを皮切りに、多彩な日本アーティスト公演が香港で展開されることにも注目が集まる。今月11日には人気Vチューバー「Enna Alouette」のファンミーティング、同23日にはシンガー・ソングライター「VK Blanka」さんの香港初公演、同28日にはポップロックバンド「緑黄色社会」、同29日にはヒップホップデュオ「Creepy Nuts」の単独公演も予定する。11月はZAZEN BOYS」の初来港公演、「YUURI」の屋外コンサート、ジャズピアニストHiromiさん率いる「Hiromi’s Sonicwonder」、シンガー・ソングライター美波さんの講演などの公演も続く。
期間中、映画、舞台芸術、美術・工芸、飲食、スポーツ、知的交流、販売促進など多岐にわたる分野のイベントが開催され、参加者はさまざまな活動を通じて日本文化を深く理解し、日本の魅力を体験することができる。