2026年中国・エジプト国交樹立70周年を記念し、「古埃及文明大展――埃及博物館珍藏(Ancient Egypt Unveiled)」が11月20日から9カ月半にわたって香港故宮文化博物館(8 Museum Drive, West Kowloon Cultural District, Kowloon, Hong Kong)で開催される。チケットが10月22日から発売開始となった。
エジプト考古学最高評議会(SCA)から貸与された巨大石像、彩色・刻銘を施した石碑、ミイラのひつぎや仮面、宝飾品、日用具、動物ミイラなどを含む250点の貴重な遺物を展示する。カイロのエジプト博物館をはじめ、ハルガダ博物館、スエズ博物館、ルクソール古代エジプト美術館、ソーハグ国立博物館、マトルー博物館、カフル・エル・シェイク博物館など7博物館から集められた4000年以上の歴史を持つ遺物が並ぶ。
「エジプトはナイルのたまもの」という言葉の通り、エジプトではナイル川流域の肥沃(ひよく)な土地でかんがい農業が発達し、紀元前3000年頃には統一王朝が成立した。約30の王朝の中でも、古王国・中王国・新王国の3つの時代が特に栄え、古王国時代にはクフ王の大ピラミッドなど多くのピラミッドが建造された。中王国時代には国際交易が盛んに行われ、アメンホテプ4世やツタンカーメン、ラムセス2世らが登場する新王国時代は国土が最大となり、「王家の谷」の墳墓群や大型神殿の建造なども盛んに行われた。輝かしいファラオの権威、個性あふれる神々への信仰、太陽暦やヒエログリフの発明などに彩られたエジプト文明は、多くの人々を引きつけてやまない魅力にあふれている。
同展は「法老的國度」「圖坦●門的世界」「薩●拉的秘密」「古埃及與世界」の4つのセクションに別れ、第1部「法老的國度」ではファラオの王権、宗教的信仰、日常生活に焦点を当てている。ラムセス2世の像や楽器・パン・サンダルなどの日用品が展示される。
第2部の「圖坦●門的世界」では、古代エジプト史上最も有名なファラオの一人である「ツタンカーメン」にまつわる展示を行うほか、新王国時代の金細工の装飾品など古代エジプト最盛期の芸術品の数々が並び、王の権威を垣間見ることができる。
続く第3部「薩●拉的秘密」ではカイロ南部に位置する、古代首都メンフィスの広大な墓地遺跡での最新発掘調査で発見された遺物の数々が展示される。最終セクション「古埃及與世界」では古代エジプトと他文明の交流によってもたらされた品々を展示し、数世紀にわたるエジプト考古学史の概観と、考古学・文化遺産保護分野における中国とエジプトの長年の協力関係の紹介で展示は締めくくる。
開館時間は10時~18時(金曜・土曜・祝日は20時まで)。火曜休館。入場料は、日付指定入場券(常設展込み)=大人190香港ドル・7~11歳・学生・高齢者95香港ドル、全館閲覧可能日付指定チケット=同230香港ドル・同115香港ドル、6歳以下無料。その他ファミリーチケット、音声ガイダンス付きチケット、今回のエジプト展に合わせて販売するバッグチャームがセットになったチケットなど各種を用意する。2026年8月31日まで。
●=上部に上、下は卜