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香港の14人に1人が資産2億円以上 シティバンク富裕層調査で明らかに

ビクトリアハーバーには多くのクルーザーも停泊

ビクトリアハーバーには多くのクルーザーも停泊

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 アメリカの大手銀行で香港でも多くに支店網を抱えリテール業務も行うシティバンクが11月18日、富裕層の実態調査「香港千萬富翁調査報告2025(Hong Kong Affluent Study 2025)」を発表した。それによると、香港で資産1,000万香港ドル(約2億円)を持つ資産家は2024年末と比較して1.2%増の39万5000人で、全人口の7%を占めることが分かった。同調査は2024年12月~2025年1月と同年8月~10月の2段階で行い、21歳~79歳の2600人を対象に行った。

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 7%という数字は14人に1人が1,000万ドルの資産を保有していることになる。総資産の中位数は2,050万香港ドルで、流動資産の中位数は1,000香港ドルだった。これらの億万長者が100万香港ドルの資産を形成した平均年齢は34歳で、株式投資と投資信託によるものだった。彼らが始めて住宅を購入した年齢は33歳。海外資産の保有率は23%に上っている。資産の内訳は、流動資産=49%、不動産=51%。流動資産のうち55%が現金、33%が株、6%が基金、4%がその他、2%が債券だった。

 資産が1,000万香港ドルよりも下回る準億万長者の内訳は、現金=35%、株=24%、基金=18%、債券=17%、その他=6%。海外の不動産保有率は35%で、資産の継承については、1000万香港ドルに属する人々より積極的であるとし、46%が譲渡可能なもので資産を増やす努力をしている。実際には約29%が行動に移しており、生命保険59%、遺言53%などで、資産継承をスムーズにする努力をしている。この超富裕層が子どもへの期待についても併せて調べており、彼らは「経済的自立」「資産の継続的増殖」「職業選択の自由」を最も重視していることも分かった。

 一方、HSBCは、今年、香港、アメリカ、イギリス、マレーシアなど1万797人を対象に「Affluent Investor Snapshot 2025」という富裕層の投資家の生活の質についての調査結果を発表している。香港の富裕層の資産の内訳を見ると、現金は前年比14ポイント減20%、株式は同3ポイント増の20%、固定収入または債券が同2ポイント減の13%、金は同7ポイント増の11%、不動産が同2ポイントの9%などとなっている。次の12カ月間に現金そのものの保有額を減らすことを考えている香港市民は20%に達しているが、これは電子マネーが浸透している影響と見られている。投資をするに当たり、影響を受ける要素について「生活費」と答えた人が86%、「経済の不確実性」という人が85%だった。

 「現在の生活の質に満足している」と答えた香港人は73%だが、世界では76%、「次の3年間で目標を達成する自信がある」が香港は75%に対し、世界は81%、「次の5年間で目標を達成する自信がある」については、香港は73%、世界は76%だった。老後、安心して生活が送れる資金は111万米ドルと試算している。

 香港人の資産が増え、それに伴い生活の質に向上についても自信を深めているが、それを裏付けるかのように、新規株式公開(IPO)が2025年に入ってから好調だ。今年1月~10月に香港取引所(HKEx)に新規上場の上場を果たした企業は80社に達したほか、IPOによる調達合計額は計260億米ドルを突破し、世界の主要取引所でトップになったとしており、香港の金融市場が回復しつつあることを示している。

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