エンターテインメントエキスポの一環として現在、「香港フィルマート」が香港コンベンション&エキシビションセンターで開催されている。同見本市は、アジア最大規模の映像コンテンツを集めたもので、出展社数は32の国と地域から770社。4日間にわたり、テレビや映画などの映像コンテンツを中心に紹介する。今年で18回目。
ジャパンブースも中国・アメリカ・韓国と並び会場内のスペースを大きく使って展開。日本からは「札幌コンテンツ特区」を運営する北海道経済産業局率いる12都道府県45のコンテンツホルダーが一丸となって出展した。
26日に開催されたセミナー「香港から拡大する日本のテレビコンテンツ販売戦略」では、香港国際映画祭フレッド・ワン名誉事務局長、経済産業省北海道経済産業局増山壽一局長、札幌産業振興財団・北海道映像機構福井知克副理事長、全日本テレビ番組製作社連盟金澤宏次副理事長らが登壇し、セミナーを開催。
日本の映像コンテンツについて、これまでに販売、リメークされた作品を列挙しながら、香港市場、また香港市場を通して世界に売り込む日本コンテンツの特徴について、パネルディスカッション形式でセミナーは進んだ。金澤副理事長は「日本のドラマは物語にオリジナリティーがあふれ、脚本の素晴らしさに加えて普遍さがあり、その普遍さを売り出していく必要がある」と話し、ドラマを通した文化交流が盛んに繰り広げられていくことが求められていると主張した。
また日本の各ブースでは、香港に向け長年コンテンツの販売実績がある映画・映像業界は着実に商談をこなし、多くが初参加組である日本各都市のテレビ局担当者は各自のコンテンツを持ち込み商談に臨んだ。香港や中国本土で、多くのコンテンツを集めなければならない多チャンネルデジタル衛星放送のバイヤーの中には驚きの低価格を提示する人もいるという。香港と中国本土で関心が高い日本の食や観光に関するコンテンツについても、チャンスがある一方でコメディータッチのものが好まれる傾向も。また多チャンネル化やインターネット、スマートフォンなどの需要から、世界では映像コンテンツ市場が活発になる一方で、それらのコンテンツを守る努力、整備体制も必要になることがあらためて浮き彫りになった。
そのほか、インディーズ映画や立命館大学映像学部製作による「嵐電の町、ひと模様」を紹介するブースでは、ネパールやマレーシアなど東南アジアの人が「自分たちの予算と見合い、安心して購入を検討することができる映像」として興味を持っていたという。著名人が出演し視聴率も高く、すでに人気があるコンテンツをはじめ、日本の各地域の魅力を映像に映し出す小規模の作品まで、日本勢がもつ多様性に注目が集まった。
会期は3月27日まで。9時30分~17時。入場は関係者のみ。