岩松製茶協同利用組合(静岡県富士市)が3月3日、「豆と茶」(東京都)との協業で、富士山麓で育まれたオーガニック抹茶を使う抹茶専門店「豆と茶 Matcha Stand」(2B, Ground Floor,Bo Fung Gardens Nos.1090/1094 King's road)を太古にオープンした。香港2店舗目となる。
昨年開業した中環店はビジネス街も近く、週末は観光客などでもにぎわっていたが、「生活圏でも楽しみたい」という要望もあり、2号店となる太古店は、太古と●魚涌の住宅エリア、「モンスターマンション」からも徒歩数分の場所に開店した。富士山麓で育まれた「富士の有機抹茶」を使った抹茶ドリンクを軸に、日本の味と茶文化を香港で体験できるドリンクスタンドとして経営する。
「抹茶の香り・色・味わい・余韻を五感で楽しむ体験型スタンド」を目指し、抹茶バリスタが一杯一杯茶せんで抹茶をたて、日本の茶文化の奥深さを追求する。太古店でも注文ごとに抹茶をたて、日本の味と文化を最大限に再現していく。
もともと「豆と茶」は、静岡県富士市に拠点を置く20程度の農家による組合でブランド化した「岩松製茶」の抹茶を直接香港に出す仕組みを整えた試み。海外進出を図ろうと金代直人さんと香港人の唐賜紅さんがタッグを組み、昨年9月、中環に1号店「豆と茶 Matcha Stand」を出店した。香港では、健康志向の高まりとともに、「自然・本物・品質」を重視する香港の人々に、日本の有機抹茶文化が新しいライフスタイルとして広がり始め、ここ数カ月でも日本の茶、抹茶を提供する店が次々とオープンしている。
もともと香港市場へのきっかけは唐さんが香港人であったことも大きいが、試しに出展した12月に灣仔で開催されるフードフェスティバルで反応が良かったためだという。「スーツケース2つで乗り込んだ会場で、目の前でお茶をたてながらドリンクを販売すると多くの人が関心を寄せた」と金代さんは振り返る。
ここでの手応えを元に出店を考えていたところ、香港人のフレンチシェフのサイモンさんに出会う。トントン拍子で話が進み、フードフェスから5カ月後にはサイモンさんが静岡を訪れ、昨年9月にはフランチャイズの形で中環出店にこぎ着けた。
定番の「抹茶ラテ」「ほうじ茶ラテ」(以上37香港ドル)に加え、フレンチ出身のサイモンさんがいるからこそ開発できたという香港限定の「抹茶ティラミスラテ」(48香港ドル)や「抹茶キャラメルラテ」(46香港ドル)なども用意する。
同店では通常3グラム程度の抹茶で作るドリンク店が多い中、ラテでも5グラムを使い、ダブルとして追加15香港ドルで5グラムをオーダーできたり、「茶道級抹茶粉」として一番茶の新茶を使う抹茶を25香港ドルで注文できたりするほか、甘さも4段階で好みを伝えることもできる。「香港人の客の中には甘みを5%にしてほしいという具体的な要望があるケースもあり、それだけ好みや健康への関心、配慮があることの裏付けだと思う」と金代さん。
加えて、香港では中環が最初の出店だったことからもアルコール類も展開。「抹茶×焼酎」「抹茶×梅酒」(同49香港ドル)、「抹茶×BEER」(59香港ドル)なども、「海外だからこそ、邪道とかではなく、斬新な組み合わせを受け入れてもらえているのかも」と話す。
抹茶の生産量には限りもあることから慎重に出店を進め、香港内は10店舗程度、フィリピン、ベトナムなど既に出店を決めている国のほか、ドバイ、サウジなどへの出店を今後積極的に検討していくという。
営業時間は11時~21時。
●=魚へんに則。