香港を拠点とするキャセイ(Cathay)グループが3月11日、2025年度の決算を発表し、3年連続で堅調な業績を達成したことを明らかにした。グループ全体の帰属利益は108億香港ドルに達し、前年の99億香港ドルから増加した。旅客需要の回復と貨物需要の底堅さが寄与した一方、旅客収益単価の正常化や傘下のLCCであるHKエクスプレス航空の損失が一部影響した。
航空会社と子会社の帰属利益は100億香港ドル(前年88億香港ドル)で、関連会社からの利益は4億4,700万香港ドル(前年2億8,800万香港ドル)と増加。さらに航空機の整備・修理・改修(MRO)サービスを世界の航空会社に提供している香港航空工程公司(HAECO)との合弁事業に関する和解により、その他収入に約8億7,800万香港ドルの一時的利益を計上した。
この好調な業績を受け、キャセイは普通株主に対し1株当たり0.64香港ドルの第2次中間配当を発表。既に支払い済みの第1次中間配当と合わせ、年間配当総額は1株当たり0.84香港ドル、総額52億香港ドルとなる。社員への還元も行い、給与の11週間分以上に相当するボーナスや利益分配が支給するほか、2026年度には昇給も予定する。
同社は過去3年間でネットワークを拡充し、人気路線の便数増加や顧客体験の改善を進めてきた。2025年にはキャセイパシフィックとHKエクスプレスが20の新規就航地を開設し、グループの旅客ネットワークは世界100都市以上に拡大。業界賞やランキングでも高い評価を受けている。
同グループのパトリック・ヒーリー(Patrick Healy)会長は「2025年は3年連続で堅調な業績を達成できた。これは社員の献身の成果であり、持続的な成長の基盤となる。『創業80年の歩み』を祝う今年、香港と中国本土を世界と結び続ける使命を果たしていく」と話す。
現在、キャセイの保有機材は全て稼働しており、成長計画に沿って採用と訓練を継続する。2026年には新たにナローボディー機8機を導入する予定で、今後100機以上の新規機材が納入される。投資総額は1,000億香港ドルを超え、機材、客室、ラウンジ、デジタル分野への刷新を進める。
今年は既存路線の便数増加、新規就航地の追加、機内外での顧客体験向上に注力する。3月30日にはシアトル直行便を開設予定。ボーイング777-300ERの最新ビジネスクラスシート「アリア・スイート」改修を進め、年末にはエアバスA330-300の全面改修を開始する。さらに、新ビジネスクラス「アリア・スタジオ」や新しいエコノミーシートも導入予定だという。
加えて、A321neoのエコノミー座席数を減らし空間を拡充するなど、顧客の声を反映した改善も行う。地上サービスでは、香港の旗艦ラウンジ「ザ・ウイング ファースト(The Wing, First )」が再オープン予定で、ニューヨークにも初のラウンジを開設。貨物部門では市場動向に応じた柔軟な対応を続け、強固なグローバルネットワークを生かして需要に応える。
キャセイグループは3年連続の好業績を背景に、香港国際航空ハブの中心として持続的成長を目指す。新規路線、機材投資、顧客体験の刷新を通じて、旅客・貨物双方で競争力を高め、香港と世界を結ぶ役割をさらに強化していく。今年は旅客輸送力を約10%拡大し、便数や就航地を増やすことで貨物輸送力も強化する計画だという。