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香港のモールで六角彩子さん初の展示 6メートルの巨大インスタレーションも

アトリウム中央に設置された巨大な立体作品には、触れたり寄りかかったりできる

アトリウム中央に設置された巨大な立体作品には、触れたり寄りかかったりできる

 世界的に活躍する日本人アーティスト・六角彩子(Ayako Rokkaku)さんによる大規模インスタレーション「THE ISLAND-ONIGASHIMA」が3月25日、香港・中環駅直結の複合モール「ランドマーク(LANDMARK)」のアトリウム空間で公開された。香港での本格的なソロ展示は今回が初めてで、商業施設内での展示としては過去最大規模となる。

日本昔話「桃太郎」の「鬼ヶ島」をテーマにした展示の数々

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 ランドマークが展開するアートプログラム「Art LANDMARK」の新企画として実施する今回の展示は、ギャラリーTARGETの協力で実現した。六角さんは指で直接絵の具を重ねる独自の技法で知られ、鮮やかな色彩と即興性に満ちた表現でアジアを中心に高い人気を集めている。少女像を中心とした幻想的な世界観は国際的にも評価が高く、現代アートシーンで最も注目される作家の一人として香港でも注目を集める。

 六角さんは独学で絵画を学び、2006年ごろから現在のスタイルを確立。漫画的な要素と抽象的な色面を融合させ、下描きを行わずに即興的に描く手法を特徴とする。村上隆さんが主催するアートフェア「GEISAI」でイラストレーション賞を受賞した経歴を持ち、アジアを中心に国際的な評価を高めてきた。

 展示のテーマは、日本の昔話「桃太郎」に登場する「鬼ヶ島」。六角は、香港と日本が共に「島」であることに着目し、両地域をつなぐ象徴としてこのモチーフを選んだ。桃太郎の物語に登場する「半人半鬼」の存在を、夢と現実の境界を示す象徴として捉え、作品全体に子どものような好奇心と神秘性を織り交ぜた。

 アトリウム中央には、高さ6メートルに及ぶ巨大な立体作品が登場。柔らかな素材と布で構成され、来場者が触れたり寄りかかったりできる「体験型アート」として設計した。館内には12点の木彫作品を収めたトンネル状の空間を設け、周囲には11点の絵画を展示するなど、六角さんの創作世界を多層的に体験できる構成に仕上げた。香港市民が自由に動き、触れ、感じることで作品の一部となるよう意図したという。

 公開初日には六角さんがライブペインティングを披露。指で直接絵の具を重ね、勢いのある動きで色彩を構築していく様子を間近で見ることができ、観客はその即興的な制作過程、六角さんの代表的な少女像や風景が、手の動きとともに立ち上がっていく様子に見入っていた。夕方にはレセプションも開かれ、タイの俳優・歌手Brightさんをはじめ、地域のキーパーソンが参加した。

 ランドマークを運営するHongkong Landのリテール部門を率いるAlexander Liさんは「六角さんの作品は没入感があり、驚きがあり、心に残る体験そのもの。ランドマークが目指す『Tomorrow’s CENTRAL』の精神を体現している」と述べ、アートを通じた商業空間の価値向上に意欲を示す。

 展示と連動し、地下のBELOWGROUNDでは六角さんのオリジナル作品9点や限定版プリント(50部)、ブロンズ彫刻(3点)などを販売している。トートバッグ、アパレル、書籍、スカーフ、AllRightsReservedとのコラボランプなどの限定アイテムもそろえる。

 香港地下鉄MTRも展示ビジュアルを用いた特別デジタル版オクトパスカードを発売。3月24日には六角さんのサイン会も開き、今後もトークイベントなどの追加企画も予定しているという。

 営業時間は7時~24時。4月17日まで。

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