香港との結びつきを強める和歌山県は9月28日、銅鑼湾のエクセルシオールホテルで和歌山プロモーションを実施し、仁坂吉伸知事も来港して和歌山県産品のトップセールスを行った。
和歌山県は昨年13年7月に香港貿易発展局とMOU(Memorandum Of Understanding:了解覚書)を締結している。同局は香港企業や海外企業の香港での活動を支援し、貿易や投資の発展と販売促進などをサポートする香港政府の一組織で、このMOUを中央省庁、経済団体、地方銀行など、日本国内約30カ所と締結をしている。同県は日本の都道府県としては初めて締結したこのスキームを基に、県内企業と香港企業のビジネスマッチング、相互訪問、見本市への参加等に関する支援を受けることが可能になった。
過去に海外を多く見てきた経験のある仁坂知事は「香港は中国の発展をうまく自分のものにしてつなぐ力がある」と話し、「その香港で貿易発展局と友好関係を保つことで、商売をさせて頂く際に必要なことや力あるバイヤーの紹介などをしてもらえることはありがたい」とMOU締結後の両者の強固な関係を振り返った。また海外と日本の見本市の性質が異なることも指摘し、香港においては積極的に参加することによりビジネスチャンスが生まれると分析する。
和歌山はみかん、はっさく、柿、梅などが日本国内1位の生産量を誇り、すでに香港に流通しているものもある。同イベントでは、県関係者に加え、9社の企業も参加して、香港地元企業にプレゼンテーションした。県内の龍神村でうめ関連の商品を中心に手作りにこだわる自然食品会社「龍神自然食品センター」の寒川善夫社長は「海外はヨーロッパを中心に42か国に取引実績があるが香港はこれから」と話し、実際香港の街中も歩き同社の商品が受け入れられる可能性がある手ごたえを感じたという。
和歌山県は今後も、香港貿易発展局との関係性を軸に同局主催の展示会に多くの企業が参加できる機会を作り、物産と観光の両面からアプローチを図る方針という。