香港のナショナルフラッグシップ航空会社キャセイパシフィック航空/国泰航空(CX)グループは1月28日、傘下のドラゴン航空/港龍航空(KA)を「キャセイドラゴン航空/国泰港龍航空」に変更すると発表した。それに伴いロゴマークも変更する。今後も運航権などを含め独立した会社として経営を続ける見込みだ。
CXの朱国●(Ivan Chu)チーフエグゼクティブは「傘下の会社の再ブランド化により、世界中の旅客はKAがキャセイグループの会社ということを認識できる。これによりキャセイは中国本土市場で重要な地位に就くことが可能になり、グループとしてのブランド競争力が高まる」と変更した理由を明らかにした。KAの丘応樺(Algernon Yau)最高経営責任者は「キャセイドラゴンは今後もレベルの高い商品とサービスを提供し続けていくほか、中国やアジア料理、香港のスナックなどを体験したり、理解したりしてもらうサービスを継続していく」とした。
KAのこれまで尾翼には竜のロゴがペイントされていたが、今後はキャセイパシフィック航空の同じ模様のロゴの赤いバージョンとなる。ドラゴンのマークがなくなるわけではなく、機体前方に竜のロゴが描かれている。新塗装の機体は4月から順次登場する予定。
キャセイドラゴンは1985年5月、港澳国際投資(Hong Kong Macau International Investment)が全額出資する「Dragon Air/港龍航空」として設立。同年7月にB737‐200Aわずか1機で香港とマレーシアの首都、クアラルンプールを結ぶ路線から始まった。キャセイの独壇場だった香港航空業界に風穴を開ける会社として話題を呼んだ。
翌1986年、タイと中国合わせて7都市にチャーター機ベースで就航させ、ネットワークを広げる。1990年に中信泰富/CITIC Pacificとキャセイパシフィック航空がドラゴン株89%を取得し、ライバル関係はわずか4年で終了。しかし、1996年になると中国航空(集団)/China National Aviation Corporation(Group)がドラゴン株35.86%を取得して筆頭株主になり、CITICは28.5%、キャセイは25.5%という保有比率になった。2000年7月28日からはB747-200を使い中東とヨーロッパに向けたエアカーゴサービスにも進出し、事業拡大を図る。
2001年5月には大阪線が就航。翌6月にはJALマイレージバンクプログラムに参加した。このころから保有機も増え、寧波、上海、重慶、大連および東京、台北、バンコク線など、中国を中心とした路線が一気に拡大していった。2005年3月には保有機が27に増加し、4月にはニューヨークにまで飛ぶことになる。翌2006年9月28日にキャセイが全額出資をし、キャセイグループ傘下の航空会社となった。
今では、イギリスに拠点を置く航空サービスについてのリサーチ会社Sky Trax社がドラゴン航空にベストの世界の地域航空会社に表彰するなど、中国本土の路線を中心としたアジア・太平洋路線で質の高い航空会社の一つとして名をはせるようになり、現在保有機数は41機、53都市を結び、従業員数は3422人となっている。
●=木へんに梁