銅鑼湾の和食店「味十味」(7th Floor, Circle Tower, No. 28 Tang Lung Street, Causeway Bay、TEL 2836-0671)は2月より、RIZAP(ライザップ)が推奨する「低糖質メニュー」の提供を始めた。
1月に大型の2号店をオープンしたライザップの基本プログラムは、週に2回のトレーニングに加えて、トレーナーによる毎回の食事へのアドバイスにも重点を置き、1対1のマンツーマンサポートにより理想のボディーメーク作りをサポートする。同社は香港でも着実に会員数を増やす一方で、海外ならではの課題、特に香港では日々の料理に含まれる糖質が非常に高いことが懸念材料となっていた。
受講者の中から聞こえる「友達とご飯を食べに行けなくなった」「毎日サバ缶ばかりになってしまう」「自分で作ってもレパートリーが増えない」という声に着目し、「低糖質」がまったく浸透していない市場での解決策として、同社は低糖質メニューを提供する店を開拓。香港で長年和食店を切り盛りする「味十味」の井上恵子さんに白羽の矢が立った。井上さんは一つ一つの食材を糖度計で計測しながらレシピを考案したが、香港の人が好きな食材、味付けを生かしたまま、食材を置き換えるような工夫をしたという。
例えば、魚を丸ごと入れ、魚介類やキノコ類、オリーブなどと一緒に蒸し煮にする「アクアパッツア」(196香港ドル)は、煮る時に使う白ワインを焼酎に置き換えることで、風味をそのままに仕上げることができ、「チキンのタリアータ風」(106香港ドル)として提供するしょうが焼きは、調理の際に鶏の処理に一工夫を加えることで、糖質を最大減にカットした状態で提供する。ほかにもデザートとして、「パンナコッタ」(46香港ドル)も豆乳を使って豆腐をベースに仕上げることで、糖質を5グラム台に抑えた。
今回のメニュー提供に当たり、井上さん自身が糖質についての理解を高め、利用者の声にも耳を傾けながら11種類のメニューを考案した。「ゆくゆくは低糖質メニューの料理教室もやってみたい」と意気込む井上さん。低糖質の食材として豆腐を紹介する際、石灰で作ることが多い中国の豆腐と、にがりを使って職人技でまろやかな味に仕上げる日本の豆腐の違いなどを解説できる機会を作ることで、日本の豆腐が持つ特徴や歴史、文化なども説明できる機会につながると考えている。「低糖質メニューに興味を抱く人がもっと増えれば、これらの低糖質メニューをテークアウトできるようなサービスも提供したい」とも。
同店の営業時間はランチ=12時~14時30分、ディナー=18時~22時30分。