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香港・尖沙咀東の新聞販売スタンドが閉店へ 看板猫「クリーム兄貴」に別れの見物客

最終日もいつもと変わらない居眠り加減のクリーム兄貴

最終日もいつもと変わらない居眠り加減のクリーム兄貴

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 尖沙咀東にある新聞販売スタンドの看板猫「クリーム兄貴」がいる店として親しまれた「信和便利」が5月25日、閉店を迎え、多くの見物客が訪れた。最終日前日の夜には200人、最終日の25日昼には30~40人の見物客が訪れ、23時の閉店にも多くの人が駆けつけた。

最終日クリーム兄貴の仕事ぶり

 「家賃の高騰」を理由に閉店を決めた店主の高志成さんが猫の「クリーム」に出合ったのは、クリームが1歳のころ。友人の家にいた複数の猫のうち、あまり利口ではなく、仲間の輪になじめず、食事の時間も同じではうまく食べられないため、深夜に別で食べさせるという手間のかかる猫で、もらった時からすでにふくよかな体形だったという。

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 クリームは8月5日に誕生日を迎えるが、1歳で引き取った高さんはクリームの本当の誕生日は分からないという。クリームが有名になったきっかけは2011年7月10日の失踪。8月5日に発見され、高さんは8月5日をクリームの誕生日に決めた。

 クリームはその後、ニコン、花王、永安旅遊のCMに起用されるなど香港市民に愛され、忙しさで店を空けることも多くなっていった。日々の様子を記録するフェイスブックのファン数は現在、19万人を超える。

 30代でファン歴2年というTAMさんは「マカオからクリーム兄貴に会ににきた。顔がかわいいから好き。 フェイスブックでこれからもずっと情報をチェックしたい」と話す。OLのVirginさんは「毎日見ているから感情が重なった。もう会えないのは悲しい。同僚もみんなクリーム兄貴が好き。2013年以降は人気が爆発して、いつも忙しくて店にいないことも多くなったけど。」とも。

 高さんによると、カナダや台湾など世界中にファンがいたが、「なかでも日本のファンは印象的だ」と言い、「クリーム兄貴のために通訳を雇った人や、手作りのプレゼントを持ってくる人もいた。日本のファンはうれしいという感情表現が独特で、クリーム兄貴を神とあがめるようなポーズで拝んだり、満面の笑みを浮かべたりしていた」と振り返る。

 また高さんは「クリーム兄貴は医師やセラピストのような存在。精神的に少し不安定なおばちゃんを癒やしたり、近くはオフィス街だったため、ボスに怒られてクリームに報告しに来て元気になって戻る会社員もいた」と続ける。

 最終日はファンの一人がレジに立って手伝うなど人の輪が広がっていた。同店に10年以上勤務するスタッフは「悲しいけど、またね」と客らに明るく受け答えをし、高さんは「クリームがいたことで出会えた人がいた。世界中から訪れてくれる人などたくさんの人とつながった」と感慨深く話していた。

 クリーム兄貴はいったん休暇に入るが、7月に開催の展示会で登場する予定だという。高さんは「これからもファンが会える機会を作りたい」と笑顔を見せる。