香港有数のコングロマリットである太古地産(Swire Properties)は7月5日、●魚涌(Quarry Bay)にある高級オフィスビル街、太古坊(Taikoo Place)を150億香港ドルかけて再開発することを発表した。
太古坊は9棟のビルからなるオフィスビル群で太古坊栢舎(Taikoo Place Apartment)を除いて高層ビル8棟が全て連絡通路でつながっている。入居している企業もPCCW、中華航空、AIG、フェイスブック、オックスフォード大学出版、フィリップモリスなど世界の大企業が多く名を連ね、香港人のみならず大勢の外国人が働いており、国際的な雰囲気を醸し出す。周辺にはバーやレストランも立ち並ぶ。芸術に関するエキシビション、ファッションブランドのイベント会場などとしても利用され、会員制クラブのButterfield'sも同所に構えている。
今回の再建について太古地産は、国際色をより出すために香港の設計事務所である王欧陽(香港)のほか、パリに本社を置くHugh Dutton AssociesとロンドンのGustafson Porterなど海外の2社にも発注した。
再開発計画によると、48階建ての太古坊一座(One Taikoo Place)と42階建ての太古坊二座(Two Taikoo Place)という、2つ合わせて100万平方フィートの高層ビルを新たに建設。両ビルとも3つ星の最高級グレードのオフィスビルの建設で、それぞれ2018年、2021年に完成予定。太古坊一座は高さ3メートルの巨大な窓ガラスがふんだんに取り入れられているのが特徴で自然の光を取り入れ、ビクトリアハーバーが一望できる設計になる予定。
全ての連絡通路にはエアコンも完備し、ビル間の移動を快適にするようにした。敷地内には太古中央廣場(Taikoo Square)と呼ばれる大きな広場と太古花園(Taikoo Garden)という庭を造成。2つ合わせて6万9000平方フィートという敷地面積は中環(Central)にある皇后像廣場(Statue Square)と同じ広さで、木々や植物をふんだんに取り入れた憩いの空間にする。
すでにある太古公園(Taikoo Park)は改修をせず、これまでと同様に屋外のアウトドアイベントとして利用できるようにするほか、同ビル群のオフィスで働いている外国人を中心に評価が高いレストランやバーといったダイニングなどもこれまでと同じコンセプトを継続して、今後もインターナショナルな料理が楽しめるエリアとして営業を行う。
同地産ドン・テイラー(Don Taylor)オフィス担当ディレクターは「太古坊はすでに多くの企業を引き付けてきたが、今後も投資をすることで活力に満ちた総合エリアにし、中環と同じくらい魅力的な商業エリアにしていきたい」と意気込みを語る。
●=魚へんに則