香港大-東大サマープログラムが復活 世界最大規模の貨物ターミナル見学も

香港の航空貨物ターミナルを見学した学生たち

香港の航空貨物ターミナルを見学した学生たち

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 香港大学と東京大学の学生が夏季期間に共同で取り組むジョイントプログラム「HKU-U Tokyo Joint Summer Program」が8月1日から13日まで行われた。

最終日前夜はグループごとに成果を英語で発表

 3回目の開催となる今年は、東京大学から園田茂人教授率いる15人の学生と、香港大学から中野嘉子准教授率いる12人の学生が香港大学の学生寮シュンヒンカレッジ(Shun Hing College)で、寝食を共にしながら、香港で活躍するビジネスリーダーに話を聞いたり、フィールドワークを行ったりしてグループごとに設定したテーマで発表するもの。

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 日本文化や日本語を学ぶ学生に限らず、医療系や宇宙工学系の学生も参加するなど幅広く学生を集めている。東京大学から香港行きを希望した学生の中には、幼少期を香港で過ごしたり、現在香港に父親が駐在していたりするなど、何らかの理由で香港とのつながりがある参加者が目立った。

 今回のハイライトの一つは、日本航空の貨物便の見学。単独の複数階航空貨物ターミナルでの中では世界一の規模という香港の貨物ターミナルを訪れ、積み下ろしの作業現場を見学した。築地でセリにかれられた後、10時のJAL便で羽田を発ち、13時35分に香港に到着。そこから食品検査を受けて、仕分け作業され、夕方には店に届く。朝5時に築地市場でセリにかかった魚介類が、夜には香港のレストランで出される仕組みを目の当たりにし、驚く学生たちの姿があった。

 8日には、大手外資金融系から独立し、香港で51年ぶりとなる独立系銀行「日本ウェルス香港銀行(NWB)」設立を果たした中島努社長が、起業や香港経済について講義を行った。中島さんは自身の経歴や起業の過程を振り返りながら、決断のポイントや小さなデスク一つからビクトリアハーバーを望むオフィスをもつまでの様子を説明。起業家をめざす若者たちにエールを送った。

 学生たちはこのほか、味千ラーメン、ヤクルト、シティースーパーなどを訪れ、香港での展開についての話を聞いた。中野准教授は「今プロジェクトは、香港のトップに直接会うことによって、その人のオーラに触れ、人を魅了する理由は何なのかを知ることができることにも意義がある」と話す。

 「将来日本のトップに立つ可能性も大いにある若者がこの機会に香港のトップから話を聞くことができる貴重な機会」とも。最年少の参加者永井遼太郎さん(19)は「もう少し中国本土のイメージが強く、香港のイメージを持ちづらかった」と話し、「香港人と一緒にいることで、彼らがとても高いキャリアのイメージをもっていることが刺激になった」と話す。

 園田教授は「東京大学ではほかにも台湾や韓国で同プログラムを展開しているが、台湾で実施する場合は、社会や経済をテーマにしても必ず対中国の政治の問題になってしまう。香港も多分に中国の影響を受けているものの、世界とつながっているイメージを持たせやすく、世界全体を向いているダイナミズムがある」と話す。