モスフード香港リミテッドは8月7日、香港内全店舗で期間限定の新商品「とんかつバーガー(吉列豬●漢堡)」の販売をスタートした。(●は手へんに八)
モスバーガーは現在香港内に12店舗あり、シンガポール同様全て独資で出店している。香港では年に8回程度、地元の意見を取り入れながら、新メニューの開発をしているが、今月は他のバーガーと比べてサイズの大きなとんかつバーガー、カレーパン、アイスココアなどの新商品を投入した。
「モスバーガーはポーションが小さくて、男性なら2、3個オーダーしないとおなかがいっぱいにならない」という地元の声に応えるため、マネジャーの石川晧一さんは「これまでよりパテもバンズも一回り大きくしたバーガーを作った」と新商品開発の経緯を説明する。また、スペイン産の豚を3種使い、柔らかさにこだわって「オリジナルとんかつ」を開発。パテにはしょうゆベースのとんかつソース、キャベツにはゴマソースを使うことで、香港の人が苦手とすると言われる酸味を抑え、風味を出すことを工夫したという。「とんかつ屋に負けないとんかつバーガーを出したかった」と石川さんは、笑みを浮かべながら新商品への思いを語る。
同時期に販売をスタートした「カレーパン」は、製造は日本で行い、香港に持ち込んで揚げて提供。これは今後の日本での販売の試金石的な意味もあるという。
ほかにもローカル客のリクエストをもとに、アイスココアをメニュー化し、回転率を上げるために、ランチとディナーのアイドリングタイムにも集客できるよう、ケーキの取り扱いもスタートした。
モスフード香港の売上は前年比120%と厳しい香港の外食産業の中で堅調に推移。競合他社の値上げに対抗した企業努力を重ねた結果と考えられるが、今後も香港島中心部を視野に入れて、出店計画を進めていく予定。