香港で天然ブリ活用セミナー、刺し身から点心まで各国料理で調理法を紹介

会場では約12キロの寒ブリが来場者の目の前で解体された

会場では約12キロの寒ブリが来場者の目の前で解体された

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 日本貿易振興機構(JETRO)は1月16日、銅鑼湾の中華レストラン「西苑酒家」でレストラン関係者、バイヤー、メディア関係者などを集め、富山県氷見産の寒ブリを活用するためのセミナーを開催した。

中華料理として振舞われた寒ブリの揚げ物

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 北陸で人気のすし店「氷見きときと寿し」を展開する丸長商事(石川県白山市)の中谷部長による寒ブリの解体ショーをはじめ、香港セレブリティに愛される「ZUMA」の遠藤和年エグゼクティブシェフ、広東料理「西苑酒家」の張志偉総料理長が、それぞれ寒ブリを生かした料理をデモンストレーションした。

 遠藤シェフは同店の顧客層に多い西洋人を満足させるプレゼンテーションと寒ブリの部位によって異なる歯応えを伝えたいとハーブやスダチ、岩塩などを使い、うま味を引き出す刺し身を提案。張シェフは豚肉やネギ、中華調味料をふんだんに使った魚のスープに、じっくりとい焼いた寒ブリの頭を入れ、30分煮込んで中華料理に仕上げた寒ブリ料理、寒ブリを使った点心、マンゴーやマヨネーズをブリの薄造りで巻きパン粉をつけて揚げたフライなどを振る舞った。

 セミナーに参加した香港人男性は氷見産のブリについて、「刺し身だとブリ本来の味がよく分かるが、中華の濃い味付けと合わせるとおいしいが、他の魚との違いが伝わりにくなるかもしれない。後は価格とどれだけ日本で高級な魚かを伝えられるかが鍵」と話す。最後に振る舞われたお茶漬けを前に「中華料理であれば粥(かゆ)とブリを合わせるのもいいかも」という声も上がった。

 会場で「氷見産寒ブリ」について解説した富山県農林水産公社氷見栽培漁業センターの井野慎吾所長は「このセミナーに至るまで、氷見のブリがどのような中華料理に生かすことができるのか試行錯誤があったと聞いている。このセミナーを契機に今後香港での販路を確保していきたい」と抱負を語った。

 多くのハマチやブリが香港向けに輸出される中で、氷見産の寒ブリはまだスタートラインに立ったという状況。これまでにも築地などを経由したものが一部入っているようだが、今シーズンからより積極的に販路を形成していきたいとする。

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