唐楼と呼ばれる低層住宅が並び西洋人も多く住む太平山エリアのアッパーステーションストリート(11upper station Street, Sheung Wan)に1月16日、カフェ「NOSH」がグランドオープンした。平日から近隣住民を中心に行列ができる日も多く、セミオープンテラスのテーブル席もあり、犬を連れた常連客なども通い始めている。
同店を運営するのは2人の女性で、日本人パティシエのアキさんと、シェフのダニエルさん。白と黒を基調としたスタイリッシュな店内でカフェメニューを中心に提供する。28席の店内には香港で知られる漫画家李志清(Lee Chi-ching)さんの作品を掲げ、グラスやボトルを整然と規則正しく並べ、内装の一部に溶け込ませている。
アキさんは親の仕事の都合でタイや上海などで幼少期を過ごし、その後もアメリカやイタリア、フランスへ渡り、コルドンブルーの講座を取得。日本でも洋菓子を勉強するなどして世界各地を渡り歩いてきた経験を持つ。同じくダニエルさんもニュージーランドをはじめ海外生活が長かった。2人は別のレストランやカフェで働いた後に出会い、同店のようなコンセプトの店を出したいと考えていたオーナーに巡り会い、オープンにこぎ着けた。
朝はコーヒー(23香港ドル~)のほか、自家製ジャム付きトースト(25香港ドル)や蜂蜜とシナモンのオートミール(50香港ドル)などを提供。ランチは日替わりで、「フィッシュ&チップス」「骨付きラム肉の香草焼き」など仕入れたもので提供するスタイル。日替わりプレートは80香港ドルで、サラダ(70香港ドル)やサンドイッチ(50香港ドル)などのサイドメニューをセットでオーダーできる。夕暮れ時はブルスケッタ(60香港ドル)やチーズプラッター(140香港ドル)などのおつまみやハウスワイン(80香港ドル~)を用意する。
アキさんは5種類のケーキ、アップルタルトやストロベリーショートケーキ(各49香港ドル)などを1日に10個ずつ用意。その一つ、レモンタルトは生地とクリームで仕上げるのではなく、レモンガナッシュやムースも入れイタリアンメレンゲで仕上げたもの。バランスを重視し、日本スタイルの工夫を施した。
「何をやっても飽きやすかった性格が、お菓子作りだけは違った。」とはにかむアキさん。「お菓子作りには根気が必要」と強い意志ものぞかせ、「もっといろいろなケーキを作りたい」と意気込む。
営業時間は8時30分~18時(土曜・日曜は10時から)