航空関連のデータを提供しているイギリスの調査会社Official Airline Guide(OAG)は12月17日、2024年1月~12月の世界の旅客線の運航状況を発表した。そのうち世界で最も多い座席供給数が多い国際線のトップ10も発表し、香港-台湾線が年間678万1577席でトップに返り咲いた。併せて、バンコク-香港間が420万1802席で7位に入るなど、アジアのハブ空港としての香港が復活する兆しを見せる結果となった。
2019年以来、座席供給量でトップに立った香港-台北間の1日当たりの座席数は1万8580席に達する計算となる。2023年は3位につけており、2024年はトップに返り咲くことを視野に入れている状況だった。ただ、この数字も2019年と比べると15%低い。1位に返り咲いた理由として、「政治的にはいろいろな問題があるものの、香港と台北の民主主義の価値観を共有していることから、ビジネスにおいてもあらゆる面で結びが強いこと」がある。香港と台湾の交流は、経済や文化など各方面で活発だ。歴史的にも国共内戦の影響で、昔の台湾人は香港を経由して中国本土に行き来していた背景がある。中国と台湾を結ぶ直行便は2003年に始まり、段階的に緩和されてきたが、このような歴史的背景の名残もあり、かつてより世界最多の座席供給量を誇ることとなった。
2位は、エジプトのカイロとサウジアラビアのジッダを結ぶ路線で、前年より約130万席増の546万9274席。3位は韓国の仁川国際空港-成田国際空港の541万456席だった。OAGによると座席数は2019年と比べて68%増、2023年比でも30%も増加。日韓の経済的、文化的な結びつきの強さが表れた格好だ。
トップ10の中にもう一つ香港の名前が登場したのがバンコクー香港線で、7位だった。座席供給量は420万1802席。座席数は2023年と比べて29%増えたが、2019年と比較すると13%低い数字となっている。
2019年の統計と比較すると、香港はトップ10のうち半分の5路線がランクインしていたという意味では、まだ回復しきっていないといえる。ただし、香港国際空港では第3滑走路の供用が始まったため、2025年はコロナ以前の水準に戻ることが期待されている。
トップ10のうち7つがアジアの路線で、欧米ではニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港とロンドンのヒースロー空港を結ぶ路線が401万1235席で10位に入ったものの、アジア路線の方が活発に推移している。
併せて国内線のトップ10も発表。1位は韓国国内の済州島-金浦空港を結ぶ路線で1418万3719席だった。2位には千歳空港と羽田空港を結ぶ線で1193万1572席、3位は福岡空港-羽田空港間の1133万5551席だった。4位のハノイとホーチミンシティを結ぶ1063万1435席までが1000万席を超えている。なお、国内線に関しては香港のランクインはなかった。