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香港で新年賀詞交歓会 新総領事もあいさつ、日系企業集う

主催3団体の代表による乾杯。香港日本人商工会議所高波喜一郎会頭(右)、在香港日本国総領事館三浦潤総領事(中央)、香港日本人倶楽部正木弘理事長(左)。

主催3団体の代表による乾杯。香港日本人商工会議所高波喜一郎会頭(右)、在香港日本国総領事館三浦潤総領事(中央)、香港日本人倶楽部正木弘理事長(左)。

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 香港日本人倶楽部で1月10日、新年賀詞交歓会が開催され、日系企業の関係者約100人が一堂に会し新年を祝った。在香港日本国総領事館、香港日本人倶楽部、香港日本人商工会議所の共催。

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 会の冒頭、昨年12月に着任したばかりの在香港日本国総領事の三浦潤総領事(大使)があいさつした。「香港、中国での勤務は初めてのことだが、民間交流も活発。香港の人は本当に日本が好き。食なども本当に驚くほど詳しい。これは、これまで皆さんが頑張って浸透させてきた結果」と感謝を述べ、「今後も、政府間、経済団体間の企業間のやり取りが進むことを願っている」と話した。三浦大使は着任後、梁君彦主席を団長とする香港立法会の議員団の訪日に随行したことにも触れ、「香港の立法会議員団に直接日本を見ていただき、農水大臣との意見交換などハイレベルな意見交換もできた。日本産水産物の輸入規制については多くの人に心配、ご迷惑をおかけしている中、政府としても丁寧に科学的データに基づいて説明していきたい」と続けた。

 経済においては、日系企業がスムーズに仕事ができるように、商工会議所、JETROと合同でビジネス環境についてのアンケートを実施していることにも触れ、「この結果を香港政府側に提出し、フィードバックも香港側から得ている」と話し、「皆さんが香港で活動しやすいような環境づくりに協力していきたい」続けた。「香港と日本の地方空港の直行便も増えていることなど、今後も地方の魅力発信を続けていきたい」とも。「香港で開催されてきた秋祭は楽しみ。日本と香港の関係を盛り上げていく、いろいろな分野で活躍する皆さんの協力が大事」と期待を込めた。

 「何よりも邦人保護を含めた領事業務が重要な任務。皆さんが安心できる環境、生活できることが大事。昨年、本土で起きた残念な出来事のようなことがないようにしっかり取り組んでいきたい。日本人学校、補習校、幼稚園などの安全確保もしっかりしていく」と話した。

 香港日本人商工会の高波喜一郎会頭は昨年の商工会の活動を振り返り、香港政府への提言、情報発信の強化、商工会組織の強化について注力してきたことに触れた。「香港政府に対して何度も要望を提出してきた中、中国への日本人の短期ビザが免除になったことは非常にうれしいこと。10都県の日本海産物に対する輸入規制撤廃については前向き議論されているところで、手応えを感じている」と話す。

 「委員会、部会の活動の活発化、異業種交流会の実施、若手育成会などの活動を通じて商工会の存在意義の向上をしていきたい」とし、「昨今の香港の中国の経済の行方、アメリカの大統領選挙を経て、この後、米中関係の行方や世界の紛争など、香港や日本だけでは考えられない状況の中、商工会としては引き続き香港政府への提言を強化していき、商工会の組織を強くしていきたい」と意気込む。「日本の本社の経営幹部の皆さんを香港に連れてきていただき、実際の香港を見て理解していただきたい。それを香港の発展につなげていきたい」と加えた。

 日本人倶楽部の正木弘理事長は、今年の干支(えと)が「乙巳(きのとみ)」であることを挙げ、「2025年は、外部からの抵抗が強くとも、それに屈することなく、新たな取り組みを始める年」と解釈されると説明した。企業経営にとっては、「外部環境のさまざまな逆風を乗り越えながら、新機軸を打ち出し、成長につなげていく年」とした。「今年の干支、乙巳のように約30年のうねりから殻を破って出た日本経済の芽がいろいろな抵抗を受けながらも、それらを跳ね返して強く成長できる一年になることを願う」と続け、最後に、「香港日本人倶楽部は今年70周年を迎える。70年前から先人たちが引き継いだものを、これからもしっかりと守って運営していきたいと」結んだ。

 今年も在香港日本国総領事館、日本政府機関、日本企業が香港で協力し合っていくことを願い、会は幕を閉じた。

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