
タイの麺料理を中心に提供する「Mama Tiger Noodles」(G/F, 12 Kau U Fong, Central)が5月1日、中環にオープンした。
ムエタイのパンツやカラフルなタイガーをイメージしたスツールなど、バンコクの賑やかな雰囲気を感じる内装
バンコクの活気ある屋台からインスピレーションを得ているという同店。オレンジや赤を配した外観に大きな窓を設け、道路から店内もよく見えるオープンな作りに仕上げた。モダンなデザインを施しながらも、ムエタイのショートパンツやカラフルなタイガーをイメージしたスツールなど24席を用意。タイを感じられるような内装に仕上げ、「客をバンコクのにぎやかな夜へといざなう雰囲気を演出した」という。モニターではタイボクシングの映像も流す。
出店したのは、湾仔の路地裏に昨年オープンし、予約が先まで埋まるイタリアンとして定着した「トラットリア・フェリーノ(Trattoria Felino)」と同じチーム。オーナーのマルチェロ・スコニャミリオ(Marcello Scognamiglio)シェフはバンコクのマンダリン・オリエンタルで2年間働いたことがあり、タイ料理とも出合った。今回の店も共同オーナーのフェリックス(Felix)さんと一緒に店を立ち上げた。
バンコク出身でタイではボートヌードル(クイッティアオルア)の専門家として知られてきた人気のヌードルチェーン「Thong Smith.(トン・スミス)」の料理長だったタニット・チャンチャイ(Thanit Changchai)シェフも参画し、毎日、調理場に立つ。
同店では、まず箸立てから箸を取る際も「楽しさ」を用意したという。赤とピンクと青の箸があり、赤は「良い運」「パワー」、ピンクは「愛」、ブルーは「平和」の意味を持たせてゲーム感覚で箸も取ってもらう。「最近はインスタ映えなどで写真ばかり撮ろうとする人も多いが、むしろ目の前のことを楽しんでもらいたいと考え、こういう遊びを取り入れた」とFelixさん。
メニューは、前菜、麺やご飯類、デザートの主に3つのカテゴリーから構成するが、タイの伝統的な要素は残しながらもストリートフードとは少し異なる「チープなファインダイニング」と店のスタンスを語る。前菜に登場するワンタンも揚げたものと蒸したものから選べるようにし、トムヤムベースの味(128香港ドル)も用意した。
フィッシュボールやフィッシュケーキに湯葉と平たい麺で仕上げた「YEN TA FU」(148香港ドル)や、辛みを追加して焼き豚やピーナツ、長ササゲなどをあわせて米麺で提供する「TOM YUM SUKHOTAI」(138香港ドル)などのほか、ハイライトとなる牛のばら肉やビーフボール、皮がパリパリのロースとポークなども合わせた「WAGYU BOAT NOODLES」(158香港ドル)などをメインに据える。卵麺のカレーラーメン「KHAO SOI」(148香港ドル)はタイ北部のタイカレーのペーストを使う。
オープンから2週間程度は店を知ってもらうために時間が必要だったが、「近隣の人たちにも知ってもらい、要望も見えたので、新しくランチセットメニューなども始めた」という。前菜を少なめにして、メインを7種類から一つ選び、ミルクティーや赤いソーダなどタイドリンクをセットにして148香港ドルで提供する。
アジアを感じさせるフルーツとハーブをブレンドしたカクテルも用意し、カクテルに使う食材はタイから輸入しているという。デザートもソフトクリームやココナツゼリーを合わせた「THAI TEA」やクリームブリュレ「THAI CREME BRULEE」(同88香港ドル)を用意したが、クリームブリュレのフレーバーはココナツやパンダンなど月ごとに味も変えるなどして工夫を施す。
営業時間は、ランチ=12時~14時30分、ディナー=18時~22時。日曜定休。