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香港各大学、ハーバード大留学生受け入れ表明 大学レベルは世界屈指

学生の受け入れを表明した大学の一つ、「科学技術大学」

学生の受け入れを表明した大学の一つ、「科学技術大学」

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 米国のトランプ政権によるハーバード大の留学生受け入れ停止措置を巡り、香港政府教育局(Education Bureau)の蔡若蓮(Christine Choi)局長は5月23日、「世界中の学生を歓迎する」という旨の投稿をSNSで行った。これに伴い、科学技術大学(The Hong Kong University of Science and Technology)、香港城市大学(University of Hong Kong)をはじめ、各大学が受け入れを表明している。

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 蔡局長は、ハーバード大学留学生の受け入れの呼びかけのほか、既にハーバード大の同窓会と連携を取っていることも明らかにしている。これに多くの香港の大学が反応したほか、その後、李家超(John Lee)行政長官も27日に受け入れを手助けするというコメントを残した。

 一方、日本では東京大学が一時受け入れを表明し、その後、文科省も香港に一足遅れる形にはなったが、留学の受け入れの検討を求める事務連絡を27日に各大学に出した。

 香港の場合は、全面的に留学生を受け入れることを基本としている。科技大学は、ハーバード大学の留学生が希望すれば無条件で受け入れ、ハーバード大で取得した単位も認めるほか、ハーバード大に留学予定の学生も受け入れるとしている。そのため、入学手続き、ビザ、住居の手配などのサポートを行うチームを既に設けている。応募要項を公開後、既にいくつかの問い合わせがあったという。

 城市大は特別奨学金のほか、教育の質を保証するためにハーバード大の教授を共同指導教官として招へいすることを表明しているほか、理工大も奨学金の提供、編入手続きのサポートなどを行うとした。

 香港の大学のレベルについては、大学レベルの有名指標の一つである「QS世界大学ランキング」の2025年版によると、香港大学が17位、香港中文大学が36位、47位が香港科技大学、57位に香港理工大学、62位に香港城市大学、とトップ100位に4大学がランクインしている。

 日本の大学は、最高学府の東京大学が32位、京都大学が50位、東京工業大学84位、大阪大学が86位と、100位以内には香港と同じ4大学がランクインしているものの、総じて香港より下の順位となっている。

 香港の強みは、イギリス統治下だった名残を生かして英語が公用語の一つであること。香港の主要大学のほとんどの授業が英語で行われるところが多い。政府関係機関、銀行、郵便局、公共交通機関、公共料金などで英語が通用するだけでなく、申請書類も英語版が必ず用意されている。スーパーなどで売られている食料品も英語表示があり、スマートフォン、各種会員カードも英語での申請が可能で、世界中の大学生を受け入れることに関して言葉の壁はほぼないと言える。

 米国の連邦裁判所がハーバード大学への留学生認定取り消し措置についての申し立てを認めたため、現在は、ハーバード大の留学生はアメリカで継続して勉強することができているが、今後はアメリカでの裁判の行方が注目される。

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