
香港のコングロマリット、ジャーディン・マセソン・グループ傘下で小売り大手のDFI 零售集団(DFI Retail Group)は7月12日、銅鑼湾(Causeway Bay)にコンビニエンスストアのセブン-イレブンの新コンセプトショップ(Shop G, G/F., Pun Tak Building, 478-484 Lockhart Road, Causeway Bay, Hong Kong TEL 2591 6730)をオープンした。
DFIは、スーパーマーケットの恵康(Wellcome)、ドラッグストアの萬寧(Mannings)、家具のIKEA、元気寿司(ずし)、スターバックス、東海堂(arome)、翠園(Jade Garden)、美心皇宮(Maxim’s Place)などを経営している巨大企業である。香港のセブン-イレブンについては、日本のセブン&アイ・ホールディングスのグループ企業で、セブン-イレブンの海外展開についてのライセンスなどを統括する7-Eleven Internationalと契約し、香港とマカオ、広東省、シンガポールでの経営権を持っている。香港では、1981年に1号店を●馬地(Happy Vallery)にあるトラムの始発・終点の停留所前にオープン。その後、順調に拡大を続け、香港とマカオで1136店舗まで広がっている。
新店舗のコンセプトは「新しい小売り空間のデザイン」「テジタル化」「多彩な食体験」。デザイン面では、スターフェリー、トラム、郵便局からインスピレーションを受け、緑を基調とした。これはセブン-イレブンのコーポレートカラーの一つである緑とも呼応させた形だという。
ガラス張りを多くして自然光を多く取り入れるほか、照明も柔らかい印象のLEDライトを選び、「リラックスした空間での買い物をしてもらうことを狙った」という。棚は並列ではなく、少し前後にずらし、壁に対して直角ではなく斜めに置くことで、「視覚的に広々とした店内の印象を与えるようにした」という。
テジタル化では、店内に大型のディスプレーを初めて導入し、日付、時間、天気をリアルタイムで表示する。お薦め商品も表示するが、当日の天候などに合わせて表示する商品を変化させることも可能とした。「7CAFE」のメニューなども表示する。併せて、レジとは別に商品のピックアップ専用ゾーンを設けた。アプリで注文した商品を並ぶことなく受け取ることができるようにした。
食体験では、7CAFEのほか、シューマイ、魚のつみれ、撈麺(ろうめん)、港式●茶など香港ならではのスナック類を提供する「7仔食●(7-Eleven Food Stall)」を大幅に拡充。同店限定で、撈麺の「炸醤撈麺」(27香港ドル)、ピスタチオ味のクリームを挟んだ香港版ワッフル「開心果醤格仔餅」、ブルーベリー味のマフィン「藍苺鬆餅」(以上22香港ドル)などを販売する。
イートインのエリアも設けた。テーブルは1万44876本の割り箸を再利用して作り、二酸化炭素の排出を抑えた木製のテーブルを置く。「セブン-イレブンが環境保護に取り組んでいることを示し、環境への意識を高めるきっかけ」にするのが狙いだという。
●=足へんに包、●=女へんに乃、●=木へんに當。