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香港国際空港のビジネスジェット専用施設、新ターミナルの供用開始

ビジネスジェット運航拠点の香港ビジネス航空センターの拡張プロジェクト第1期が完了

ビジネスジェット運航拠点の香港ビジネス航空センターの拡張プロジェクト第1期が完了

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 香港国際空港内にある、ビジネスジェットを専門に扱う運航拠点の香港ビジネス航空センター(HKBAC)は9月10日、拡張プロジェクト第1期の完了に伴い、新たなターミナルの供用を始めた。同拡張プロジェクトは、2021年に実施計画を発表し、2025年に第1期完成、2026年に第2期完成を予定する。

最上級の専用待合室・ラウンジ「VVIPスイート」

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 計画発表時、香港空港管理局のジャック・ソー(蘇澤光)会長(当時)は「HKBAC拡張計画は、香港国際空港の地理的優位性と広範なネットワークを生かし、グローバル企業が香港に地域本社やオフィスを設立することをさらに後押しするもの。香港国際空港を利用すれば、ビジネス幹部層は5時間以内で主要なアジア市場にアクセスすることができる」と、香港とアジア諸国とのアクセスの良さ、香港国際空港の利用ニーズについて言及していた。

 ビジネス航空コンサルタント兼ブローカーのアジアン・スカイ・グループによると、2024年末時点、アジア太平洋地域のビジネスジェット機数は、中国本土が249機で最多の拠点となっている。しかしながら、2023年末の270機からは減少傾向にある。香港は55機から56機に微増したが、より勢いを見せるのはインドと東南アジア諸国だ。

 2023年末から2024年末にかけて、インドは150機から168機、シンガポールは72機から83機に増加するなど、10%以上の増加率となった国もある。この他、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムでも1~4機の増加となっており、機数では低水準ながらも、香港周辺諸国のビジネスジェット市場が着実に拡大していることが分かる。

 運輸・物流局長のメイブル・チャン(Ms. Mable Chan)さんは「2024年11月に香港国際空港の3滑走路システムが稼働開始したことで、香港の航空業界は前例のない好機の時代に入っている。HKBACの処理能力は倍増し、グレーターベイエリアとその先におけるビジネス航空の旺盛な需要に応える」と、HKBAC拡張による、成長市場の需要取り込みへの効果に期待をのぞかせた。

 新施設は、「高度なプライバシー、優れた効率性、ラグジュアリーな旅の体験を提供するよう」設計し、ターミナルから駐機場へと伸びるアジア初の全長26メートルの「スカイキャノピー」、最上級の専用待合室・ラウンジ「VVIPスイート」、ワンストップの税関・出入国管理・検疫(CIQ)施設を備える。さらに、ハラール旅行の世界的権威であるCrescentRatingの認証を取得し、空港ラウンジ案件として初めてムスリム・フレンドリー認証を受けた。

 新ターミナルの開業に合わせ、HKBACは完全なプライバシーの下で提供される独自の「Premier Direct」を始めた。同サービスにより、到着出発時ともに、わずか3分以内で搭乗または降機が可能となる。出発時は「VVIPスイート」で迎え入れ、専用の導線に沿って、CIQ施設を経由して、天候に左右されない「スカイキャノピー」へと直接進み、搭乗。到着時は、CIQ手続き後に同様のシームレスで効率的な移動を提供する。

 現地拡張の第2期は現在進行中で、既存ターミナルの刷新に焦点を当て、チャーター便、ペット同伴旅行、団体旅行など、市場の多様な需要に的確に応えることを目指しているという。

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