中国の総合スポーツ大会「第15回全国運動会(The 15th National Games of the People’s Republic of China)」の開幕式が11月9日、広州の「広東オリンピックセンター(Guangdong Olympic Center)」で行われた。既に一部競技は先行して始まっており、11月21日まで、34競技419種目に1万4252人の選手が参加し、粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)各地で競技が展開される。
大会マスコットキャラクターの「喜洋洋(左)」と「樂融融(右)」
同大会は、広東省、香港、マカオの3地域が共同開催する初の全国運動会で、香港とマカオが正式な競技会場を提供するのは史上初。大会マスコットには「海の国宝」と称されるシナウスイロイルカ(中華白海豚)が選ばれた。
香港では、男子バスケットボールU22、トラックサイクリング、フェンシング、ゴルフ、男子ハンドボール、7人制ラグビー、トライアスロン、ビーチバレーボールの計8競技が実施される。会場には、香港ゴルフクラブ(粉嶺)、香港単車館(Hong Kong Velodrome)、ビクトリアハーバー沿いのウオーターフロント、3月に旧啓徳空港跡地に開業した啓徳体育園(Kai Tak Sports Park)などが選ばれた。
加えて、ロードバイク競技では港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge)、マラソンでは深港西部通道(Shenzhen-Hong Kong Western Corridor)を経由するなど、大湾区を横断するコース設計が採用されている。8日、自転車男子個人ロードレースのため、香港、マカオ、本土の広東省珠海をつなぐ海上橋「港珠澳大橋」も一時通行止めとなった。
既に香港代表選手の活躍も見られており、帆船ILCA 7級(旧レーザー級)ではニコラス・ハリデイ(貝俊龍)選手が金メダルを獲得。さらに、帆船男子470級(2人乗りディンギー)では今大会2つ目の金メダルをもたらした。
全国運動会は1959年に北京で初開催され、4年に1度行われる。従来のエリート競技大会とは異なり、「全民参与(全国民が参加する)」を理念に掲げ、国民の健康促進とスポーツ文化の普及を目的としている。
今回の大会では、34の正式競技に加え、一般市民が参加可能な23種目も実施。「競技類」にはテニス、バドミントン、サッカー、中国将棋(象棋)、ドラゴンボート、RCレース(ラジコンカー競技)なども含まれ、「パフォーマンス類」には健身気功、太極拳、獅子舞など、文化的要素の強い種目が並ぶ。ボウリング競技は既に8月に啓徳体育園で先行開催された。
大会の開幕に合わせ、香港郵政は11月9日より全国運動会をテーマにした記念切手シリーズを発売するなど、地域全体での盛り上がりも見られる。
全競技は11月21日に終了し、同日、深セン市で閉会式が行われる。続いて、第12回全国障害者運動会が12月8日から15日まで開催予定。
チケットは実名登録制で、公式サイトとWeChatアプリ、指定の香港中国旅行社のチケットカウンターで販売する。