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香港・銅鑼湾に抹茶ドリンクとスイーツの「抹茶館」-郊外から中心地へ出店攻勢

伝統的な抹茶セットも提供し、日本を感じさせる工夫をいたるところに

伝統的な抹茶セットも提供し、日本を感じさせる工夫をいたるところに

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 香港内で抹茶をテーマにカフェ業態を展開するクリエイト・レストランツ(東京都品川区)は銅鑼湾の中心地、そごう並びのヘネシー道(B/F, Macau Yat Yuen Centre,525 Hennessy Rd, Causeway Bay TEL 2893-0095)に11月3日、抹茶館(マッチャハウス)を開店した。香港内5店舗目。

銅鑼湾店店内の様子

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 マルチブランド、マルチロケーション戦略を掲げ、ショッピングモール内などを中心に国内200ブランド以上の飲食店を展開する同社。香港進出は2012年で、抹茶に注目が集まっていたことから、京都にある「マッチャハウス」を香港に持ち込んだ。屯門、ダイヤモンドヒル、沙田など郊外から出店をはじめ、屯門を閉めると同時に旺角、そして今回銅鑼湾に出店。同社の川口清司さんは「屯門の閉店は売り上げの問題というよりも、日系企業を多く入れたショッピングモールが新しくできたことにより客が分散してしまうことを危惧して、より良い条件を探した」と、街の移り変わりが激しい香港市場での計画修正の必要性を話す。

 内装は白と抹茶の緑を基調にシンプルに仕上げながらも、路面に入り口があることを生かして階段などの装飾にも力を入れた。店内は枯れ山水をモチーフにポップに仕上げた飾りを施すなどカジュアルながらも京都を意識した造りで、72席を設置した。

 メニューを開くとドリンク類が最初に目に入り、「カフェ」であることを強調する。「抹茶クリームラテ(忌廉牛●抹茶、●=女へんに乃)」をはじめ、「黒蜜抹茶ラテ(黒蜜牛●抹茶、●=にんべんに尓)」(同レギュラー=34香港ドル、ラージ=39香港ドル)など。キャラメルやクッキーなどのフレーバーを載せたり、カルピスラテやスムージーなども展開して、冷たいドリンクだけでも15種類近くをメニュー化する。最初に出店したころは抹茶ドリンクといえば甘いものをイメージしていた人が多かったが、この1年半の間に顧客の要望や味覚の成熟化をもとに糖度を徐々に下げた」と同社で商品企画を担当する河原聡さん。

 茶わんと茶せんをお盆に乗せて提供し抹茶を自分でたてる「伝統抹茶」(19香港ドル)には、たて方の説明を添えて提供するが「日本人にたててほしいという要望があることも多い」と河原さんは話す。また、「実際の人気商品は決まってくるが、たくさんの選択肢を求める人が多いため、メニューには多くのラインアップを並べている」と説明する。丼ものやラーメンもあるほどで、売り上げの6割をフードが占めているそうだ。

 ミニシュークリームに抹茶チョコレートを絡めて食べるフォンデュ「抹茶朱古力醤迷●芭芙」や抹茶エッグタルトに抹茶ソフトを添えて提供する「抹茶蛋撻盛」(同49香港ドル)などは香港のオリジナル商品。「日本企業として本来の味を否定するような提案はダメだが、受け入れられるようにアレンジして提供することには力を注ぐ」と河原さん。

 通常、日本での同業態の回転率は1日5回転程度だが、現在香港・沙田のニュータウンプラザ店では1日12回転することもあり、高い家賃でありながらも黒字化に貢献しているという。12月6日にはポーラムにも開店予定。同社は別ブランド「しゃぶ菜」なども含め、香港市場で今後4年以内に16店舗程度の出店を計画し、売り上げ30億円を目指す。

 営業時間は11時30分~翌2時。

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