2002年にクオーリーベイにオープンした「元祖北海道ラーメン函館」が10月1日、2店舗目(G/F., Hillier Street, Sheung Wan, Hong Kong Tel:2567 0082)を上環にオープンした。香港では豚骨ラーメンに勢いがある中、北海道ならではのみそラーメンと函館で人気の塩ラーメンで勝負する。
同店はあげ半グループ創業者である安部隆孝前社長が立ち上げたもので、姉妹店として「札幌」がある。現在の函館のマネジングディレクターはネパール人のグルン・カピル・デヴさん。7年間神奈川県のラーメン店で働いた後、2003年に来港。友人を介して安部さんの門をたたき、あげ半グループで修業した。
日本人は日本人が作るフレンチやイタリアンなどは受け入れるのに、外国人が作る日本食に抵抗感を感じるという、どこか矛盾した考えを持つ人が少なくない中、グルンさんはそうした声をはねのけて約20年間、ラーメンを作り続けてきた。「安部さんから教えてもらった味を忠実に守る努力をしている。そうすればお客さんの信頼を得るようなって、また店に来てくれるようになるから」と流ちょうな日本語で話す。
店は上環駅から徒歩5分弱のうロケーションにあり、店舗面積は約900平方フィート。34席を設けた。同店は西山製麺と提携し、同社の麺を香港に持ちこんだ。「スープの管理は厳しく行うのは当たり前。香港だとそれ以上に麺の扱いが大変」と言い、「気候が北海道とは違い高温多湿なので、それをどう管理していくかに気を遣う」と続ける。
ラーメンは、「金味噌(みそ)ラーメン」(78香港ドル)、「濃厚味噌ラーメン」(80香港ドル)、「塩ラーメン」(78香港ドル)の注文がほとんどだという。唐辛子を使った各種地獄ラーメン(98香港ドル~)や「豚肉野菜炒め定食」(90香港ドル)が、それらに続く。新店オープンに際し、みそ、塩、しょう油の各味について、常連客の要望に応えベジタリアン向けのメニュー(78香港ドル)も用意した。通常の金味噌はワカメ、コーン、モヤシ、大量の長ネギ、メンマ、チャーシューが入るが、ベジタリアン向けはラードとチャーシューを無くし、麺も卵を使わないようにした特製の太麺だ。
姉妹店の札幌が以前中環にあったが、移転したこともあり、西山ラーメン、北海道ラーメンのファンだった客から『中環に帰ってきてほしい』」という声を受け上環に店を出すことになったというグルンさん。「香港では豚骨ラーメン全盛だが、北海道の味を守り、広げていきたい」と意気込む。
営業時間はランチ=11時30分~15時、ディナー=18時~22時。日曜定休。