2016年から五輪正式種目として採用されることが決まった7人制ラグビーのアジア予選が11月7日・8日、香港スタジアムで開催され、男子日本代表が優勝を果たしリオ・デ・ジャネイロ五輪出場を決めた。15人制ラグビーで話題になる中、ラグビー人気に弾みをつける結果となり、女子代表も優勝してリオ五輪へ向け大きなステップとなった。
男子は予選プールAが日本、韓国、中国、シンガポール、チャイニーズ・タイペイ。プールBが香港、スリランカ、マレーシア、フィリピン、イランの合計10チーム。各プール上位2チームが決勝トーナメントに進み、優勝チームのみがリオ五輪出場となる。
初戦、日本はチャイニーズ・台北に38対0と幸先よいスタートを切る。対シンガポールは66対0、韓国には47対0とすべて圧勝。翌8日の予選最後の試合の中国戦は34対0で勝利し予選はすべて“完封勝ち”で決勝トーナメント進出を決めた。準決勝の相手はB組2位のスリランカだ。こちらも43対0で危なげなく勝ち決勝進出を決めた。勝てばリオ五輪出場が決まる決勝は7人制ラグビーのライバル香港。以前から予想されていたカードとなった。
地元香港への大応援が響く中、キックオフ。香港はディフェンスの出足が良く日本はボールをキープするもののあまり前に進むことができず自陣での試合が続く。前半2分30秒、日本の反則から香港がチャンスをつかみゴール右にトライされる。今回大会初失点となった。前半終了残り約30秒には、日本がボールをインターセプトにいきボールに触ったものの、こぼれ球が相手に渡り、そのままトライをされ前半は0対10とリードされて終える。
後半は前半2分に香港のオフサイドの反則からチャンスをつかんだ日本代表はフィールド右に進み、そこから左に展開して後藤輝也選手がトライ。5対10と詰め寄る。続く5分過ぎにはレメキ選手がゴール中央にトライを決めて同点。コンバージョンも決まり12対10と逆転に成功する。香港の出足が徐々に鈍り始めたところ、残り2分にトゥキリから合谷和弘選手へのバックハンドパスで香港ディフェンスが翻弄(ほんろう)され最後は坂井克行選手が17対10とするトライを決めた。さらに残り約1分にタックルで香港を止め、さらにボールがこぼれた。香港のノックオンだが日本がボールを拾ったためアドバンテージ。そのまま相手ディフェンスを振り切って駄目押しのトライ。コンバージョンも決まり24対10で日本がリオへの切符をつかんだ。
瀬川智広ヘッドコーチは「厳しい試合だったが、香港も日本もいい試合をした。日本に少し運があった。最後は先制点を取られたが、選手は落ち着いてやってくれた」と振り返る。「これで7人制を知ってもらいたい。リオはアジア代表としてメダルを狙いたい」とも。キャプテンの桑水流裕策選手は「最初は焦ったが勝てて良かった。ホッとしている。ボールを動かそうと話し合って、動かして走り勝ったことがスコアに出たと思う」としながらも、「まだスタートに立ったばかり」とリオ五輪については気を引き締めた。
女子については、香港大会が第1戦目。日本、中国、香港、カザフスタン、スリランカ、グアムとの総当たり戦を行い、上位2チームが再び対戦して勝った方が優勝となる。日本は4勝1敗でトップ通過し2位となったカザフスタンと対戦することになった。予選でのカザフスタン戦は7対5と辛勝しており油断は許さない。しかし決勝はサクラセブンズが実力をいかんなく発揮し22対0で圧勝して優勝を果たし、リオ五輪に向け好スタートを切った。女子は11月28、29日に秩父宮ラグビー場でリオ出場を懸けた予選第2戦が行われる。