昨年の直行便復活により香港からの渡航者数も増え勢いのある鹿児島県は、10月、11月に渡り大型のプロモーション活動を展開した。
鹿児島県への香港からの直行便は今年の5月に週3便へ増便して以来安定的な伸びを見せ、観光庁の宿泊旅行統計によると、平成25年は1万1810人、26年は2万8660人、今年は8月までの速報値ですでに3万7200人を記録するなど、好調に推移している。
香港へのアプローチを続ける鹿児島県は、10月、11月に金鐘のアイランド・シャングリ・ラ・香港内「なだ万」で「鹿児島美食フェア」を開催し、鹿児島特選懐石料理(875ドル)と鹿児島特選ミニ懐石(455ドル)を展開。3回目となる今年はなだ万の木浦信敏社長が枕崎市出身でもあることから、タッグが成立し、木浦さんが鹿児島の食材を使った料理を監修した。
フェアに先駆け、10月19日に行われた式典に参加した伊藤祐一郎・鹿児島県知事は「私たちの特産物として、鹿児島と言えば、数年前までは鹿児島牛、かごしま黒豚のイメージがあったがここ最近は、養殖全国一であるブリ、マグロも揚がるようになってきていると聞き、大変うれしく思う」と香港市場に向けて期待を込める。
伊藤祐一郎知事は「香港の人にとって焼酎は日本酒と比べると、だいぶなじみがないようであるがブリ、マグロのように鹿児島と聞くと、焼酎を思い浮かべてもらえるような取り組みをしていきたい。」と話す。
同県はフェアに時期を重ね、鹿児島県酒造組合とともに、焼酎のプロモーションも実施した。11月5日には、銅鑼湾の聘珍樓でメディアやレストラン関係者を集めたイベントを開催し、スパークリング焼酎、通常の焼酎に加え、カクテルなども振る舞った。
これまでは和食店での展開が多かった焼酎のアプローチを見直し、中華やイタリアンでもあわせやすい飲み物として紹介するだけでなく、カクテルのリキュールとして採用をしてもらえるようにと、芋の香りを引きたてるほか、かんきつ系のものでさっぱりとしたもの、小豆のリキュールなどを使ってお菓子のように仕上げたものまでをレシピ化。香港内でカクテルバーやウイスキーバーを手掛ける「BUTLER」の内田雅之さんが考案したカクテルが会場で披露された。
11月は約1カ月にわたり、イベントを開催した中華料理老舗の聘珍樓をはじめ、イタリアンの「Sagrantino」,「Pasta Inn」,創作和食の「味十味」や焼き肉の「和牛焼肉純」など、さまざまなシチュエーションで焼酎を飲む機会も提供された。