卓球リーグ「T2 APAC」は2月27日、6月から12月まで開催が予定される卓球リーグ「T2 Asia-Pacific Table Tennis League(T2 APAC)」にリオデジャネイロ五輪の卓球シングルスの銅メダリストで、世界ランク4位の水谷隼選手が参戦することを発表した。
同リーグは日本で2018年から開催が計画されている「Tリーグ」と名称が似ているが、全く異なる新しいリーグで、国際卓球連盟(ITTF)、アジア卓球聯合 (ATTU)、香港卓球協会(HKTTA)の全面的なバックアップで開催される。
リーグには男女各12人ずつの計24選手が参加予定。すでに14人が参戦を表明しているが、女子は世界ランキング4位に馮天薇選手(シンガポール)、5位の鄭怡静選手(台湾)、20位のエロザベタ・サマラ選手(ルーマニア)、30位ゲオルギナ・ポータ選手(ハンガリー)が参戦を決めた。
男子では8位のウラジーミル・サムソノフ選手(ベラルーシ)、13位の朱世赫選手(韓国)、29位の陳建安選手(チャイニーズタイペイ)、35位のシバエフ選手(ロシア)など世界のトップ選手も少なくない。残る10人も早ければ今週中に発表される予定だという。男女を合わせた混合リーグの試合も想定されている。世界のトップ選手を多く抱える中国選手は自国にプロリーグの「スーパーリーグ」があるため、T2 APACに参戦を発表した選手はまだいない。
賞金総額は150万米ドル、合計228試合が行われる予定だ。試合形式は、1試合を7セットマッチ、4セット先取、各セット11点勝負ではなく、24分間で行うルールなど従来とは異なる新しい試みのルールが導入される。
日本の「Tリーグ」はプロ、実業団、学生などが参加できるプロとアマチュアの混合リーグで開かれる計画のためレベルとしては決して高いとは言えない。水谷選手は2020年に開催される東京五輪を見据えて高いレベルでのプレーを希望したとみられる。アジアでのプロリーグは現在中国スーパーリーグのみで、ITTFがバックアップする「T2 APAC」に寄せられる期待値も高い。
ITTFのトーマス・ヴァイカート会長は「ここ数年、卓球への関心と参加は世界中で爆発的に増加した。われわれはアジア太平洋地域でリーグの成功とスポーツの向上のため、成功を願っている」と歓迎の意を表明した。
今でこそ、日本は若い力がどんどん台頭し、王者中国との差を少しずつ詰めている。昔、日本の卓球が低迷していた時に、世界王者だった小山ちれ(中国名:何智麗、1992年に帰化)選手が1989年に中国から来日し、日本卓球のレベルを引き上げるきっかけをつくったことが始まりだった。香港も中華圏の一部ということで卓球は盛ん。近年、中国の元代表が各国で帰化して当該国の代表になるケースが少なくなかったが、香港はその走りだ。同じ中華圏ということで、選手らをうまく生かせば香港生まれの代表の強化につながることが考えられるほか、トップレベルの卓球リーグが香港で開幕することで、サッカー、ラグビーや競馬に次ぐ人気競技になる可能性もある。