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香港と深セン福田を14分で結ぶ新高速鉄道 開通を前に限定で一般公開

駅舎や内部は限定で一般公開

駅舎や内部は限定で一般公開

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 香港と広州を結ぶ高速鉄道の廣深港高速鐵路(Guangzhou-Shenzhen-Hong Kong Express Rail Link)の香港側(Hong Kong Section)が9月23日に開通することが決まり9月1日・2日の両日、限定で一般公開された。当初は2015年に開通予定だったが、工事の遅延で大幅に開通がずれ込み、中国側は2015年12月に運行を始めたが、香港側は約3年遅れてようやく全面開通となる。

駅舎内部の様子

 廣深港高速鐵路は香港の西九龍駅(West Kowloon Station)から深セン福田などを経由して広州南駅結ぶ高速鉄道で、その先の北京までもつながる中国高速鉄道網の一部だ。総事業費は844億2,000万香港ドルで、全長は香港側が26キロ、中国本土側は116キロ。香港から中国本土までに途中駅はない。最高速度は350キロで、運行速度は中国側が300キロ、香港側は200キロを想定している。

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 現在の羅胡(Lo Wu)経由の路線では、香港-深センは49分、香港-広州東駅は2時間かかるが、開通後は香港-深セン福田が14分、香港-深セン北駅で23分、香港-広州南駅で48分と所要時間が一気に短縮される。北京-香港間は23時間から8時間になる。

 1日当たりの乗客数は西九龍から深セン福田および深セン北を6万7500人と想定している。西九龍-広州南は1万8300人、その他の途中下車する乗客などを含めると西九龍発の列車では1日10万9200人の利用客を試算している。香港-深センは15分に1本、香港-広州は30分に1本の頻度で運行する予定だ。列車は8両編成で、先頭と最後の車両は計68席で読書用のライトやフットレストなどが完備する「グリーン車」のような車両だ。間の2号車~7号車は普通車で計511席。7号車のみにトイレが付いている。全ての座席に電源が付く。

 西九龍駅も巨大ターミナル駅となり、11ヘクタールの敷地に地上2フロア、地下4フロアの駅で総床面積は43万平方メートル。ホームは長距離用が9、短距離用が6、レストランや免税店などの商業施設は3万平方メートルを誇る。パスポートなどの審査のカウンターは144カ所、出入国用IDカードの機械は75機を設置する予定だ。500台分の駐車場、休憩室などの駅に必要な施設も造るほか、8900平方メートルの公園も建設。大型のバスターミナル、ミニバス用のバス停も備える。エスカレーターは70台、エレベーターは120台、自動券売機は39台を設ける。

 西九龍文化区(West Kowloon Cultural District)と隣接するほか、九龍駅(Kowloon Station)には大型高級ショッピングモール「圓方(Elements)」があるため、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)や佐敦(Jordan)エリアの人の流れを大きく変える可能性がある。

 工事に当たり、前田建設工業が中国建築と共同体(JV)を組んで、トンネル工事と停車場および待避線工事の2件、計約47億2,000万香港ドルで落札し、五洋建設も同じくトンネル工事を約16億8,000万香港ドルで単独受注した。加えて新菱冷熱工業が環境コントロールシステムと電気系統の設置工事など計3件、約16億3,000万香港ドルを受注している。

 香港市民にとっての最大の懸案は「一地両検」だ。これは香港側の駅に香港と中国の税関の両方を設けるというもの。通常、税関手続きをする場合、出国する所と入国する所の2カ所で行うが、それを香港側の1カ所で行うという試みで、中国側の公安職員が香港内で仕事をすることが確定した。立法会でももめにもめた案件で、公安が駅構内から出ることはないとしているが、香港市民は一抹の不安を感じている。

 料金は、西九龍から深セン福田は80香港ドル、深セン北が90香港ドル、広州南が260香港ドルを予定している。