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MTR觀塘線が黄埔まで延伸 油麻地、旺角へのアクセス改善

リニューアルをしたAEONに直結する出口もできた黄埔駅

リニューアルをしたAEONに直結する出口もできた黄埔駅

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 香港鉄路(MTR)は10月23日、工事を進めていた地下鉄觀塘(Kwun Tong)線の黄埔(Whanpoa)までの工事を終了し、運行を開始した。太古(Taikoo)と同様に日本人が多く住む場所として知られる黄埔地区へのアクセスが大きく改善される。

 延伸されたのは油麻地(Yau Ma Tei)から黄埔までの2.6キロで、所用時間は約5分。途中駅には、何文田(Ho Man Tin)がある。繁忙時間は何文田駅発が2分に1本、黄埔駅発が4分に1本の頻度で出発する。利用客は1日18万人を見込む。

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 基本的計画は2009年11月に発表され、MTRはその後詳細な設計を行い、2010年11月に行政会議で批准された。2011年に着工し、2016年に開通の運びとなった。

 黄埔地区は、もともとはドックがある造船のエリアだったが、近年は長江実業地産(Cheung Kong Property Holdings)が開発を長年進めてきた。紅●(Hung Hom)駅が近いことから中国本土に通勤する日本人が多く住むことでも知られている。AEONやユニクロがあるほか、ショッピングモール、レストランが充実し、ここ数年はホテルも開業している。

 一方で少し裏道に入るとローカルな文化が残るエリアでもあり、黄埔やその北側の土瓜湾(To Kwa Wan)などは多くの香港市民が住んでいるにもわらず地下鉄がなかったため、バス路線が充実。自動車による移動は渋滞などに巻き込まれると時間の計算がしにくい面があった。

 同路線の2.1キロ分のトンネル工事と何文田駅の建設を担当したのは、香港の建設業界で長い実績を誇る西松建設だ。2011年に29億7,500万ドルで落札し工事を進めてきた。トンネルの掘削は明かり掘削と新オーストリアトンネル工法(NATM)の2つを併用して進められた。何文田駅建設は面積が5万8000平方メートルと巨大で、駅西側が丘になっており、そこに住宅地が建設されていることから、觀塘線の地下鉄が走るところは1層目、ロビーは5層目、一番高い出口は忠孝街(Chung Hau Street)の8層目と8フロアあり、高低差にして70メートルもある駅となった。構内の色は緑色で芸術家の香建峰(Alex Heung)さんが描いた自然と都市をテーマにした絵が描かれている。

 一方、黄埔駅はプラットホームを中心に東と西の2つに分かれる駅で、特に東側のC出口はAEONが入っている巨大船の目の前に出る出口になっている。構内は薄い紫色で、芸術家の林東鵬さんが歴史と創造をテーマにした絵が構内に描かれた。

 開業当日は、一番列車に乗ろうと駅前に鉄道ファンが行列を作るほどの熱気。シャッターが開くと同時に走ってプラットホームに向かう鉄道ファンの姿が見られた。

 MTRは現在、沙田(Shatin)と中環(Central)を結ぶ沙中線(Shatin to Central Link)の工事も進めており、何文田駅が觀塘線との乗換駅になる。完成すると、周辺住民は香港島へのアクセスも格段に向上するため、さらに人気の住宅地になることも予想されいてる。

●=石へんに勘

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