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世界最長の海上橋「港珠澳大橋」、10月23日開通へ 習近平国家主席が開通式に参加も

いよいよ開通が決まった港珠澳大橋

いよいよ開通が決まった港珠澳大橋

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 香港とマカオ、広東省珠海を結ぶ「港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge)」が10月23日に開通予定であることが発表された。開通式典は珠海で行われ、習近平国家主席、李克強首相らが出席することになっている。2016年に開通予定だった同橋が2年遅れての開通となる。マカオ・珠海との関係はこれまでも強かったが、結び付きが薄かった中国本土西側とのつながりが濃くなる。

 同橋は、香港大手のデベロッパーである合和実業(Hopewell Holdings)の創業者である胡應湘(Gordon Wu)さんの発案によるもので、2009年12月15日に珠海側から着工した。全長55キロのうち22.9キロは海上に架かる橋で、海上橋としては世界最長となる。6.7キロは大型船を通航させるため海底トンネルとした。橋自体の走行時間は30~40分と現在のフェリーの約半分となる。自動車専用道路で鉄道向けの線路や設備は建設されていない。中国本土の様式に合わせて右側通行。

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 実際に香港からマカオに向かう場合の流れは次のようになる。まず東涌(Tung Chung)の手前で香港国際空港の東側に作られた人工島に向かう橋を渡る。人工島には出入境管理所=税関があり、ここでパスポートのチェックを受ける。そして香港接線(Hong Kong Link Road)を走り、海底トンネル、海上橋、マカオの東側に作られた人工島でパスポートチェック。そしてマカオ市街に出る。海底トンネルがあるため、その出入り口には東京湾アクアラインの「海ほたる」のような建物が建設されるほか、全体の走る印象もアクアラインとほぼ同じ感覚なると見られる。

 通行料金は、自家用車・レンタカー=150人民元、税関を超える大型客車(バス)=200人民元、シャトルバス=300人民元、貨物車両=115人民元。高さ4.2メートル、重さ49トンを超える車両は通行できない。通行するには通行ライセンスが必要で、香港-マカオ間では各都市に300台ずつ、合計600台のみの一般車両が通行できる。香港側で認められる300台のうち150台は個人、150台は法人向けとなり、申し込むには、個人の場合、香港の車両ナンバー、香港の車両保険に加入していること、車の所有者であること、マカオで働いているかマカオに会社を設立した人のみとハードルは高い。法人も香港かマカオで登記していること、または関連企業がどちらかの都市になければならないほか、税金を支払い、車の登記申請などの書類を運輸署(Transport Department)提出する必要がある。申請が通ればライセンスが発行され有効期間は3年間。1年あたり540香港ドルのライセンス料がかかる。また、マカオの税関を通過する時、マカオ用の通行証をもらうため100パタカを支払う必要がある。

 実際ほとんどの人バスを利用することになるが、行き方はまず香港国際空港そばに作られた同橋専用の税関に行く。空港行きのA11などの「A」または深夜便の「NA」がつくバスは今回の大橋の開通により税関を停車して香港市街と空港を結ぶ路線に変更されるが、専用シャトルバスが3路線開設される。「B4」は大橋税関と香港国際空港、「B5」が同税関とMTR欣澳站(Sunny Bay)駅、「B6」は同税関と東涌(Tung Chung)の滿東邨(Mun Tung Estate)となる。専用のミニバスも作られ、「901」は同税関と東涌北(Tung Chung North)を結ぶ。

香港の税関通過後は、マカオまたは珠海との税関を結ぶ専用のシャトルバスがあり、1日200本のバスが運行される。ラッシュアワー時は最長でも5分間隔、それ以外は10~15分間隔、夜間0時~6時は15~30分間隔となる。料金は80香港ドルで税関内にあるチケット売り場かインターネットで乗車券を購入する。

 市街地間の運行の許可を受けたバス会社の一つ「港澳一號(One Bus)」は、觀塘(Kuwn Tong)にあるショッピングモールAPM発パリジャンマカオ行きを運行する。途中、香港とマカオの税関、サンズマカオ、ザ・ヴェネチアンに停車。所要時間はサンズまで110分、ヴェネチアンまで125分、パリジャンまで130分。始発はAPM発8時で最終が18時30分。パリジャン側は始発が11時、最終が21時30分で、約30分間隔で運行する予定。料金は平日が片道170香港ドル、夜間と休日が190香港ドルを想定している。

 これ以外にも「The Club x 環島中港通」というバスの運行も予定されており、こちらは香港-マカオ間は太子(Prince Edward)にある上海街(Shanghai Street)を出発し、圓方(Elements)、ヴェネチアン、ギャラクシー、など10カ所に止まるバスを運行する。上海街からギャラクシーまでの所要時間は約100分で、料金は片道160香港ドル、週末と夜の時間帯は180香港ドル。詳しい時刻表はまだ明らかになっていないが24時間体制での運行を予定する。また、橋の開通により珠海を中心に広東省西部とを結ぶ路線の充実が図られる予定で、同バスによると1日400本を超えるバスが運行されることになると想定されている。