香港で日本商品を多く扱う総合スーパーマーケット「一田百貨(YATA)」は12月2日、沙田のショッピングモール「新城市広場(ニュータウンプラザ)」に旗艦店をグランドオープンした。同店は、香港最大手デベロッパーの一つである新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)傘下のブランドで、元々西友の流れをくみ、2008年4月に一田百貨として再スタートを切っている。現在6割以上の商品を日本から扱い、香港市民にも日本の色が濃いスーパーマーケットとして知られている。
式典には、一田全店で開催中の熊本フェアに合わせ小野泰輔熊本県副知事が出席した。熊本県の「くまモン」とサンリオの「ハローキティ」が登場し、初の組み合わせに会場には多くのファンが集まった。熊本県とYATAとの関係は長く、10年以上前から熊本産品の取り扱いがあり、毎年いろいろな試みで協力してきた。両者は2014年にくまモン活用による熊本の認知度向上や県産品販売に関する覚書に調印し、公式ショップを展開した実績も持つ。今回の熊本フェアも、旺角店を除くYATA10店舗で展開する。小野副知事は「YATAは信頼できるパートナーであり、同店を中心に香港市場を盛り上げていく」と信頼を寄せ、「くまモン活用の広がりについてもYATAを軸に進めていきたい」とした。熊本県は今年からこれまで原則として認めていなかった、海外における海外企業などのくまモン関連商品の製造・販売を解禁し、世界中の企業などがくまモンのイラストを利用できるスキームをスタートさせている。
今回のコラボ商品はグランフロアのスーパーマーケット入り口手前の催事場を大きく使って売り場とし、旅行用品、ファッション、ギフト、キッズグッズに分かれ展開。4つのカテゴリで100種類以上もの商品を新たに作り販売する。ファッションでは、女性のカットソー、花柄レースの洋服、男性のパーカー、Tシャツ、ジャケットなど。スリッパの左右がそれぞれ両キャラクターの顔になっているものもある。小野副知事は「近い将来5,000億円規模のビジネスを狙っている」と言い、「個人的な考えだが将来的には一兆円規模も視野に入り、世界的に活躍するハローキティのように羽ばたくことを願っている」と意欲を見せる。
年内開催するフェアについては、旬の熊本いちご(138香港ドル)、ミニトマト(21.8香港ドル/パック)、ミカン(25.8香港ドル/袋)のほか、高級メロンと同じ栽培方法で方で作られ、中身が甘く、さっぱりしている最高級スイカ「立体スイカ」(198香港ドル)などを店頭に並べる。一田沙田店で熊本県の商品を買うと先着順で熊本の職人が伝授する「木製スプーン制作ワークショップ」に参加できる企画なども用意した。グランドオープンに際し、熊本県産木材で作られ、くまモンをあしらった「くまモン棚」を常設の売り台として贈った。「この棚があることで、熊本からも年間を通じて熊本の商品を販売しなければという良いプレッシャーを感じながら、香港の人に熊本の商品を届けたい」と熊本県香港事務所の板東良明所長は意気込む。
営業時間は10時~22時(金曜~日曜・祝日は22時30分まで)。フェアは今月31日まで。