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中環から湾仔経由し東区走廊をつなぐバイパス完成 1月20日開通で渋滞緩和へ

渋滞緩和に期待がかかる新しいバイパス

渋滞緩和に期待がかかる新しいバイパス

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 香港政府路政署(Highways Department)は2018年12月28日、中環(Central)から湾仔(Wan Chai)経由し東区走廊(Island Eastern Corridor)を結ぶ「中環及灣仔繞道和東區走廊連接路(The Central-Wan Chai Bypass and Island Eastern Corridor Link / CWB)が1月20日に開通すると発表した。このエリアは慢性的な渋滞となっており、その緩和が期待される。

トンネルを通した埋め立て中の龍和道

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 香港島北部を横断する軒尼詩道(Hennessy Road)、金鐘道(Queensway)、告士打道(Gloucester Road)、干諾道中(Connaught Road Central)、皇后大道中(Queen’s Road Central)などは香港経済の中心地を走り、かつ九龍(Kowloon )側とを結ぶ3つの海底トンネルのへの出入り口になっていることから慢性的な渋滞に悩まされていた。例えば、西区海底隧道(Western Harbour Crossing)出口から海底隧道(Cross Harbour Tunnel)入り口までを4号幹線(Route 4)という高速道路を利用するとわずか5キロほどの距離だが渋滞は特にひどく、状況によっては30分~1時間かかることもあるほど深刻だった。

 1990年代にはすでに計画され、2010年1月29日に着工。総延長は4.5キロ、総工費は360億香港ドル。片道3車線で高さ制限は4.6メートル、制限速度はバイパスにつながる連接道路は時速50キロ、道路自体は時速80キロで、通行料金はかからない。

 具体的なルートは、上環(Sheung Wan)にある海港政府大楼(Harbour Building)西側にある林士街天橋(Rumsey Street Flyover)から始まり、中環のフェリーターミナルと国際金融中心(IFC)の間を抜けて長さ3.7キロの海底トンネルに入り、炮台山(Fortress Hill)にある港島逸君綽酒店(Harbour Grand Hong Kong)の横を走る東区走廊につながる。ただ、林士街天橋の部分は最後の仕上げ工事が残っており、開通から約1カ月後に通行可能になるだろうと香港政府は付け加えた。この道路の開通により中環と北角(North Point)間はわずか約5分でつながると香港政府では試算している。車が分散することにより、近くを通る路線バスの遅延が減ることも予想されるなど市民生活にも直接的なメリットがある。

 海底トンネルは、中環の天星小輪(Star Ferry)乗り場そばにある観覧車である香港摩天輪(The Hong Kong Observation Wheel)、中環海浜活動空間(Central Harbour Front Event Space)、香港政府庁舎北側にある中西区海浜長廊(Central and Western District Promenade)、湾仔の会議展覧中心(HKCEC)、香港游艇会(Royal HK Yacht Club)、銅鑼湾避風塘(Causeway Bay Typhoon Shelter)の下を通過する。道中には、沙田(Shatin)と中環を結ぶ地下鉄(MTR)?湾線(Tsuen Wan Line)、沙中線(Shatin to Central Link)、海底隧道を横切る必要があるため、それらとの距離感も計算しながら工事が進められた。

 この道路の完成による時間の大幅な短縮により30億香港ドルの経済効果が見込まれるほか、6400人の工事関係者の雇用機会を創出。さらに1万1000トンの二酸化炭素削減につながる(48万本の樹木を植樹するのと同じ効果)ほか、防音壁を設けることで騒音を最高で25.6デシベル、平均で16デシベルまで抑えるなど、環境にも配慮した。

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