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香港地下鉄MTRとミニバス、QRコードで支払い可能に キャッシュレス化進む香港

最初にAlipayが決済システムを導入する「下碧瑤湾(Lower Baguio Villa)」と「中環(交易廣場)(Central(Exchange Square))」を結ぶ路線

最初にAlipayが決済システムを導入する「下碧瑤湾(Lower Baguio Villa)」と「中環(交易廣場)(Central(Exchange Square))」を結ぶ路線

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 「港鉄(MTR)」とアリババ傘下の電子マネー会社「支付宝香港(Alipay HK)」はQRコードを利用した支払いサービスを2020年に始めると発表した。ミニバスでも、ミニバス運営会社の一社「進智公共交通」が2018年末からAlipayの決済システムをサー利用したQRコードでの決済サービス提供を始めることを明らかにした。

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 中国本土ではインフラ整備の問題、社会事情などからPCや携帯電話を飛ばしてスマートフォンが一気に普及した。リープフロッグ(先進国が成し遂げてきた発展過程を上手に活用し、段階を踏まずに大きく進展すること)により、世界有数のキャッシュレス社会となった。

 しかし、香港は電子マネーの「八達通(Octopus Card)」が1997年に運用を始め、広く香港社会に浸透し、政府も個人情報の流出には慎重な姿勢を保ってきたことから、キャッシュレス社会への転換が結果的に中国より遅れた。とは言え、香港には中国人観光客が多く訪れるほか、スマートフォンで決済できる場所も増えてきていることから、徐々にキャッシュレス社会が到来しつつある。

 タクシー業界ではAlipayのほか「騰訊(Tencent)」の「WeChat Pay」、オクトパスがアンドロイド用スマートフォンに開発した「O! ePay」を導入するなど一足先にキャッシュレス決済化が進んでいるという実態もある。

 MTRでは、専用アプリをダウンロードし自分用のアカウントを開設。ゲートを通過する時には、現在、オクトパスを黄色の板にカードをかざすが、このアプリの利用者はMTRのアプリからQRを呼び出し、ゲートに新たに設置されたQRコードを読み取る機械にかざす。決済作業は0.4秒で終了。MTRとしては今後1年以内に特定の系統で先行サービスを始め、2020年には91あるMTRの駅全てで利用可能にしたい考えだ。

ミニバスでは、Alipayが「易乘碼」(EasyGo)という決済システムを開発した。ミニバスを運営する大手2社、進智公共交通と冠榮車行傘下企業である千架小巴との間で話を進めていることを発表。その中で進智公共交通は年末までに「下碧瑤湾(Lower Baguio Villa)」と「中環(交易廣場)(Central(Exchange Square))」を結ぶ8Xでサービスを始める計画だ。

 支払い方法はMTRとほぼ同じで、Alipay HKのアプリをダウンロードしアカウントを開設。支払時にQRコードを出し、ミニバス内に設置されている支払い決済機にQRコードをかざす。こちらも所要時間は0.3~0.4秒で終了し、決済が完了すればショートメッセージで支払い通知が送られる。ミニバスは路線によっては一律料金ではないため、下車時に支払いを済ませる方法になることが予想される。

利用者としてはオクトパス、QRコードという2つのキャッシュレス方式を選べることになり、支払方法の選択肢が広がるということにおいてメリットがあると見られる。

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