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香港PMQでデザインイベント「de Tour」始まる 日本からの特別講座も

木村奈央さんによる作品「萬念尋(One and only)」

木村奈央さんによる作品「萬念尋(One and only)」

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香港で開催されるデザインのイベント「de Tour 2018」が12月1日、中環(Central)の「元創方(PMQ)」(35 Aberdeen Street, Central, Hong Kong TEL 2870 2335)でスタートした。今年のテーマは「Trial and Error」、日本語では「トライアンドエラー」という和製英語として浸透している言葉だが、アーティストが試行錯誤した作品が展示されている。

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 「de Tour」は2004年に第1回が開催され、10年以上の歴史を誇り、「設計営商周(Business of Design Week :BoDW)」の一つとして始まった。これまで毎年、香港内のあちらこちらの店やイベントスペースなどで開催されてきたが、ここ数年はデザインやアートと親和性が高いPMQがメイン会場となっている。PMQが夏頃に「de Tour」に参加に関するための応募要項を発表する。デザイナーはテーマに計画書を提出し、参加が認められれば資金援助を受けながら作品を完成させ、同イベントで展示・公開している。

 今回の目玉は6つの巨大展示と11のエキシビション。2つの団体「KaCaMa Design Lab」と「thecaveworkshop」が共同で「完美失敗(Flawless Failure)」と題した作品を制作した。これは、レーストラック上にカートを走らせるが、そのカート重さは規定の重さにしないと動かない。レーストラック近くにおかれた無数の石を任意に選び、それをカートに入れて規定の重量に合わせる事ができるのかというもの。成功確率は0.01%だという。ステファニー・マッソ(Stephane Masson)さんによる「怪房客( The Strange Tenants)」は毎日18時から、金魚や鳥、女性の体に鳥の頭など奇妙な画像をPMQ内の窓に投影するという作品もある。

 エキシビションでは木村奈央さんによる作品「萬念尋(One and only)を展示。2万を超えるチョウチョを使って神経系を表現し、その作品内にある椅子が人間のネットワークを表現しているという。ほかにも「WE-DESIGNS」による「超高密度 vs 公?私隱 (Sensorial Estates: Hyper-Density vs Public-Privacy)」にも注目が集まる。人と建物が密集しているにも関わらず住宅不足や社会資源の配分の不平等という問題がある香港で、狭さの中でプライバシーをどうするのかを表現している。

 デザインについての特別講座も14クラス用意し、日本語と広東語によるのもある。12月5日19時からは「港日對談 :設計進化論」と題し、デザインの進化についてのテーマで対談を行う。登壇者は、日本からはNOSIGNERの代表、創業者である太刀川英輔さん、artless Inc.のアートディレクター、代表の川上 俊さん、香港からは、XCEPTの創業者であり、クリエーティブディレクターである張瀚謙さんとLAABの呉鎮麟デザインダイレクターの4人となっている。

 30を超えるワークショップも魅力的で、日本の藍染めのワークショップ、版画ワークショップ、絵、アクセサリーなど多彩なプログラムを用意する。ほかにもde Tourの作品群を回るガイドツアー(広東語)も12月8日・9日、12時、14時、16時から行う。

 開場時間は11時~20時。入場無料。今月9日まで。

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