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林鄭月娥・行政長官が初の公式訪日 日本と香港の経済協力の強化を訴える

初の公式訪日となった香港の林鄭月娥行政長官

初の公式訪日となった香港の林鄭月娥行政長官

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 香港貿易発展局(HKTDC)が11月1日、ホテルニューオータニ(東京都)で大規模海外プロモーション「think GLOBAL, think HONG KONG」を開催した。シンポジウムには林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官があいさつしたほか、安藤宏基日清食品ホールディングス社長や三毛兼承三菱UFJ銀行頭取などが登壇した。「中国・アセアン市場とその攻略法」など7つのテーマ別れた分科会も開き、参加者は中国・香港経済などで事業展開するためのチャンスを探った。

会場には香港と日本の多くの関係者が集まった

 「think GLOBAL, think HONG KONG」が日本で開催するのは2012年以来で、これまでにイギリス、アメリカ、フランス、カナダなどでも「think ASIA, thing HONG KONG」という名前で開催してきた。日本でのプロモーションは過去最大規模で、日本と香港の財界を結び、世界の潮流について情報交換などをしながら緊密化を図ろうというもの。

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 メインシンポジウムに登壇した林鄭行政長官は参加した約2900人を前に「日本は観光、経済、文化が成熟した国で、香港にとって世界第4位の貿易相手国。高齢化という課題を共に抱えており、これに対応できるシステムを作り出すことが重要」と訴えた。登壇後、メディアのインタビューにも応じ、「イノベーション、テクノロジー、クリエーティブをキーワードに香港経済を多角化させたい」と話し、現在の香港の産業構造では将来の香港経済は難しい局面に陥るという認識を示した。

 林鄭行政長官は10月29日~11月2日の5日間の日程で訪日し、その間に日本在住の香港人らと会ったほか、東京都の小池百合子知事とも会談。林鄭行政長官は「香港も東京もビジネスのハブであり金融の中心。東京は香港人の最もホットな旅行先で今後も交流とさらなる関係強化をしたい」と訴えた。丸の内の商業施設KITTEで開かれている「香港ウィーク2018」の開幕セレモニーにも姿を現すなど積極的に活動した。このセレモニーにはSOHOにアート作品を描いた香取慎吾さんも参加し、会場を盛り上げた。

 テーマ別の分科会を見ると、「中国・アセアン市場とその攻略法」では丸亀製麺などを運営するトリドールホールディングスの粟田貴也社長らが登壇。トリドールは香港市民に親しまれている?屋「譚仔雲南米線」を2017年5月に買収したことで香港社会に驚きを与えたが、「世界経済において香港はアジアのハブであること、中国への足掛かりの場所でもあり、アセアン諸国にも影響力が持てる」と香港進出のメリットを強調した。「日本企業のための法的リスク管理」では香港大学法学部の非常勤教授であるダグラス・クラーク法廷弁護士が知的財産権について語り、「知財で相手を訴えるには、まず香港で知財の登録していなければならないが、著作権に関しては登録する必要はない」など、具体的な事例を出しながら説明した。

 ほかにも、「スマートシティのABCD-AI、ブロックチェーン、クラウド、データ」「スマートファイナンスとスマートリビングでアジアの力を強化」「ヘルシーエイジング技術の最新動向」「中国が描く金融成長戦略とその展望」「快適な暮らしを彩る空間づくりとデザイン」をテーマに開催し、参加者は関心がある分科会に足を運んだ。