香港政府は5月15日、2027年の公衆休日を発表した。「休み」が「旅行」に直結するほど、日常生活での旅行が当たり前となっている香港市場では、例年「何日有給休暇を取得すれば連休を取れるか」という攻略法が香港市民の間で話題になるが、以前と比べると盛り上がりに欠ける。背景には、近年は働き方の変化があり、休暇の過ごし方にも影響を与えているためと考えられる。
旧正月、クリスマス、釈迦(しゃか)誕生の日やイースターが公休日になるなど国際都市ならでは特色があり、2022年の日曜以外の追加公休日は昨年同様、全17日を設定している。香港では日曜が公休日と指定されおり、多くの企業で土曜・日曜の週休2日制や土曜午後休を採用している。土曜に当たる祝日には例年通り振り替え休日は設定していない。例年同様、有給休暇を組み合わせることで大型連休を作ることが可能となる。
2027年の旧正月は2月6日~9日で、土曜・日曜に休日が重なる。10日~12日の平日3日に有給休暇を取得することで、最大9連休が可能となる。イースターは3月26日~29日の4連休で、こちらも日曜日の復活節が通常の公休日に重なり4連休となるが、直後4日間の有給と清明節を組み合わせれば11日連休の長期休暇を確保できる。秋には国慶節(10月1日)と重陽節(10月8日)があり、間に休暇を入れることで1週間以上の休暇を取得できる可能性もある。
香港では一部企業で在宅勤務やワーケーションが定着し、従来のように「祝日=混雑期」という構図を避ける動きも見られる。祝日の設定は例年通りだが、クリスマスやイースターなどの人気休暇では、あえて人の多い時期を外し、少し前倒しや後ろ倒しで休暇を取得する傾向も広がっている。これにより、旅行先や市内の混雑を避けながら柔軟に休暇を楽しむスタイルも定着しつつある。
旅行需要の面では、旧正月休暇には日本や韓国など近隣国への旅行が高まる見込み。特に現在の中東情勢からヨーロッパ行きへの影響が出ており、訪日旅行の需要は高止まりすると見られる。香港の大手旅行会社「永安トラベル」は5月15日、香港の中心地のひとつ銅鑼湾に訪日旅行を専門とする旅行商品のリアル店舗を出店した。加えて、これまでヨーロッパやアフリカ旅行などの長距離路線を多く扱ってきた旅行会社にも訪日商品の取り扱いの動きもある。
イースター休暇は日本の桜の季節と重なるため、多くの香港人が日本渡航も検討する時期であるが、香港の旅行会社によると、「桜の開花予想が変わることも増え、春の訪日は桜と他の要素を組み合わせたアプローチが必要」との声も聞かれる。秋の連休は紅葉シーズンに合わせ、北東アジアへの旅行が増えると予想される上、従来の「ピーク時集中」から「分散型休暇」へと移行する兆しも見えている。
公休日は以下の通り。毎週日曜を基本とし、1月1日(正月元日)、2月6日(旧正月元日=農暦年初一)、同8日(旧正月3日=農暦年初三)、同9日(旧正月補休日=農暦年初四)、3月26日(キリスト受難日=耶●受難節)、同27日(キリスト受難日翌日=耶●受難節翌日)、同29日(イースターマンデー翌日=清明節星期一翌日)、4月5日(清明節)、5月1日(メーデー=勞動節)、同13日(仏誕)、6月9日(端午節)、7月1日(特区成立記念日=香港特別行政區成立記念日)、9月16日(中秋節翌日)、10月1日(国慶節=國慶日)、同8日(重陽節)、12月25日(クリスマス=聖誕節)、同27日(クリスマス翌日ボクシングデー=聖誕節翌日)。
●は魚へんに禾。