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香港に日本発コスメ「SHIRO」進出 香港の竹や花茶などにも敬意表す

店内の様子。店内装飾には、香港を象徴する工事現場の足場として役目を終えた竹も使う。

店内の様子。店内装飾には、香港を象徴する工事現場の足場として役目を終えた竹も使う。

 日本発の人気コスメブランド「SHIRO」の香港初の旗艦店「SHIRO K11 Musea」(B112A, B1, K11 MUSEA, Victoria Dockside, 18 Salisbury Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong)が5月1日、尖沙咀の大型商業施設K11 MUSEA地下1階にオープンした。ブランド創業以来掲げてきた「毎日自分たちが使いたいものを作る」という理念を背景に、「香港の文化や歴史に敬意を込めた空間設計」を行い、限定アイテムもそろえて、香港市場に本格参入する。

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 SHIROは同社を創業した今井浩恵さんが、「デパートなどにならぶ外資系の高級化粧品でもなく、ドラッグストアに並ぶチープコスメでもない、ちょうどいい商品を求めた」ところから生まれたというブランド。自身も北海道出身で自然が身近にあったことも影響する。創業当時はスキンケアといえば、「コラーゲンが入れば効果がある。高いものが効果があるとか言われていた時代」と今井さんは振り返り、「全て日本のもので作るという発想もなく、シアバターを求めてガーナに行ったり、ローレルオイルを求めてトルコに行ったりするなど、素材を求めて旅をした過去もある」と話す。そうした中で「ふと目の前をみたら、日本には米もあって、ヨモギもあって植物が豊か」と素材が意外と身近にあったことに気が付く。日本で採れる昆布などを素材とした商品が生まれたり、生産者に話を聞くとひらめいたりする中で、例えば「漁師から直接買って自社工場で作った方が安く、また成分も濃く作れる。こうした方が社会にとっていいかも」と考え、現在の商品ラインアップが生まれたという。「たまたま自分が欲しいと思うのものが市場になくて、それを作ってみたら広がってきただけ」と今井さん。

 店舗デザインには、香港の街並みに根付く「竹の足場(搭棚)」や唐楼に並ぶ「ブリキ製郵便ポスト」を再利用した。数度使われ役目を終えた竹を什器に生まれ変わらせ、ブリキはレジカウンターやストックドアに採用した。これらは香港の歴史と職人技を象徴する資材で、「日常に寄り添う素材を唯一無二の存在へ」と再解釈したもの。「フィールドワークを一番大事にする」という今井さんは、香港への進出もコロナ禍前の5年ほど前から計画してきたもので、「とにかく現地の人やアーティストなどに会って、いろいろな話を聞いた」という。

 「店舗デザインに竹を使うと決めるまでには、『竹の廃材なんて使わない方がいいよ』という人がいたり、『竹は本当に香港人が大事にしているものだよ』など、いろいろな意見がある中で、『SHIROが香港に提案できることは何だろう。竹は100年後も残していくべきカルチャーなのでは』と考え、最終的に竹の廃材を使うことを決めた」と振り返る。

 この精神は商品にも反映した。香港限定アイテムとして「花茶オードパルファン」(40ミリリットル、225香港ドル)を用意。ジャスミン茶や菊茶、バラ茶など、「香港の日常に根付く花茶文化から着想を得た香り」で、かんきつ系のトップノート、バジルとローズのミドル、ムスクのラストを調和させ、「高温多湿の気候になじむ爽やかな香りを実現した」という。

 ほかにも、定番の「サボン」「ホワイトティー」「ホワイトリリー」などのフレグランスのほか、「ユズ」のフェースミストなどのスキンケア、メーキャップコスメなど幅広く取り扱う。価格帯も「日本並み。若干日本より高い程度」を実現して、消費者が手に取りやすい価格帯で勝負をかける。

 店内には、廃棄予定の香料を活用し来店者が自ら調香体験できる「ゼロブレンダーラボ」も設置。北海道砂川市の研究室をイメージした空間で、試作段階の香料を用いてオリジナルのフレグランスミストを調合できる。廃棄物ゼロを目指すブランドの姿勢を体感できる新しい試みで、「ゼロブレンダーラボ」フレグランスミストは300香港ドル(50ミリリットル)で作ることができる。

 旗艦店オープンに先立ち、4月27日には香港公式オンラインストアも立ち上げた。香港市場でもリアルとオンラインで展開を図っていく。

 営業時間は11時~21時。

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