香港の夏を象徴する「香港国際ドラゴンボートレース」が今年で50周年を迎える。尖沙咀では香港政府観光局が6月19日~7月1日の13日間、尖沙咀プロムナードを舞台に開催する。世界トップクラスのレースに加え、文化体験やエンターテインメントを融合させた過去最大規模の催しとなる。
大会のハイライトは、6月27日・28日に行う「サンライフ 香港国際ドラゴンボートレース」。今年は16の国と地域から220以上のチームが参加予定で、ビクトリア・ハーバーの象徴的なスカイラインを背景に迫力あるレースが繰り広げられる。国際オープン選手権、混合・女子部門、さらには創立50周年記念選手権やがんサバイバー選手権など、多彩なカテゴリーを設けた。
ドラゴンボートの起源は、漁村の人々が厄払いと平和を祈願するために行っていた伝統儀式にさかのぼる。かつて儀式に用いられていた船が競技へと発展し、1976年には●箕湾の避風塘で初の国際大会を開催。当時はわずか10チームの参加だったが、これが現在の国際大会の幕開けとなったといわれている。半世紀を経て、ドラゴンボートはアジア競技大会の正式種目にも定着し、香港の文化遺産とスポーツを融合させた都市全体の祝祭へと成長している。
今回のフェスは、単なるスポーツイベントを超えた「五感で楽しむ文化体験」として企画した。尖沙咀のアベニュー・オブ・スターズや梳士巴利花園では、無形文化遺産をテーマにした体験型ワークショップ、VRドラゴンボート体験、ライブ音楽やステージパフォーマンスなどを展開する。「ドラゴンボート・フードレーン」では香港のストリートフードや季節限定料理が並び、ビアガーデンでは無料のビールや伝統的な粽(ちまき)を振る舞う。全長22メートルの大型ドラゴンボートを展示し、フォトスポットも設けるなど、会場全体が祝祭ムードに包まれる。
ドラゴンボートの熱気は尖沙咀だけにとどまらない。ランタオ島西部の大澳では、神像を載せた小型舟が村の水路を巡行する「端午龍舟遊涌」が今も続いており、2011年には中国の国家無形文化遺産に認定された。赤柱や香港仔、西貢、沙田など各所でも地域色豊かなドラゴンボートレースを開催し、訪れる人々に香港の多彩な魅力を伝える。
尖沙咀の国際大会は世界的規模で華やかさが際立つ一方、赤柱・香港仔・西貢・沙田の大会は地域文化や自然環境を背景にした「香港らしさ」を体感できる。赤柱は6月19日、沙田は19日とさらに7月と8月に開催予定で、地域ごとの特色を楽しめるのが魅力である。
赤柱(スタンレー)のレースは、6月19日8時~19時30分にスタンレー海岸(270メートルコース)で行う香港最大級の地域大会で、毎年8000人以上が集まる。国際色豊かなチームが参加し、端午節の祝祭ムードも感じられる中、企業のチームビルディングやブランドプロモーションの場としても人気がある大会となっている。
漁村文化が色濃く残る港町ならではのドラゴンボートレースが行われる香港仔(アバディーン) のレースは、伝統的な漁船と近代的なドラゴンボートが同じ水面に並ぶ。6月19日の9時~16時に開催。観客は港の屋台やシーフードレストランと併せて楽しめる。
香港の東部に位置する半島で、海鮮でも有名な郊外である西貢(サイクン)は 自然景観を背景にしたレースで知られる。透明度の高い海と山並みを望むロケーションで、アウトドア派や家族連れに人気がある。地元の海鮮料理店と組み合わせた観光プランが定番だが、19日8時~13時30分に開催が決まった。
沙田(シャーティン) 城門河(Shing Mun River)のレースは穏やかな川面で行われ、都市型大会として知られる。市街地に近くアクセスが良いため、地元住民や学生チームの参加が多い。小型ボートレースから2000メートルのレースまでがあり、観客は川沿いの散策やショッピングモールと併せて楽しめ、春ごろから定期的にレースも行っているが、今後は、6月19日にレース各種、7月12日に200メートル小型ボートレース、8月9日に2000メートルレースを、それぞれ予定する。
●=竹かんむりに肖。