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香港で「観光」から歴史をたどる企画展  啓徳時代の航空会社の広告なども

展示会場の様子

展示会場の様子

 香港デザインセンター(香港設計中心、HKDC)は現在、深水●にある「設計博物館」で、70年にわたる観光に関する歴史をたどる特別企画展「旅港の次元――香港観光の視覚言語」を開催している。チーフキュレーターをデザイナーのデビッド・ロー(盧永強)さんが務め、ヘリテージコレクターのジョン・ウー(胡兆昌)さんと共に企画・監修を担当した。

かつて香港のイメージを形作った呼称や書体を紹介

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 本展は、1950年代以降、香港がいかにデザイン、映像、物語を通じて都市イメージを構築し、国際的なアイデンティティーを築いてきたかを振り返るもの。航空、ホテル、クリエーティブ分野のパートナーと協力し、貴重な視覚的コレクションを展示することで、香港デザイン独自の価値を浮き彫りにさせた。 展示は「視覚による観光誘致」がテーマとし、5つのテーマエリアで構成する。

 展示エリア1では「香港の名前」について解説をする。「香港」という名の由来にはいくつかの説があり、呼称もいくつかあるが、かつて香港のイメージとアイデンティティーを表した「香江」や「東洋の真珠」などといった呼称や書体を紹介していく。

 展示エリア2のタイトルは「香港は私の家」。航空会社や公式プロモーション素材を通じ、香港が「家」であり「目的地」として構築された過程を提示する。50~60年代のエキゾチックな表現から、80~90年代の躍動感あふれる都市風景への変遷をたどる。

 展示エリア3「映画に描かれた香港」 では、映画ポスター風の手描きイラストを用いて、さまざまな日常の情景を織り交ぜ、多様で複雑な香港の姿をコラージュのように描き出している。ヴィクトリアハーバーの海岸線には、香港と海外のキャラクターやスター像が設置されているが、映画がいかにして日常のありふれた情景を、世界中の観光客の記憶に深く刻まれ、視覚的シンボルへと昇華させたかを映し出している。

 展示エリア4 「ホテルと旅の想像」は地元のホテルが担った、東洋と西洋をつなぐ役割に焦点を当てる。映画『The World of Suzie Wong(邦題:スーザン・ウォンの世界)」で有名になった「六国ホテル」や、「ペニンシュラホテル」「マンダリン・オリエンタルホテル」などのブランドイメージを通じ、香港特有の豪華さや都会的なリズムをひもとく。

 最後の展示エリア5 「緑の地平線」は高層ビル群の背後に広がる、もう一つの香港を描き出す。4つの長距離ルート、米埔、郊外公園などの山々や湿地を紹介し、香港が想像以上に広大で豊かな自然を持つ場所であることを再認識させる内容に仕上げた。

 香港デザインセンターの最高経営責任者(CEO)であるレインニー・チン(陳娜嘉)さんは「本展は、豊富な歴史的映像や物語を集結させ、観光産業が香港という都市のアイデンティティーを形成する上で果たしてきた極めて重要な役割を示すもの」と話す。「時代を超えて色あせない香港の精神を感じ取り、観光の視覚言語がいかにして無限の可能性を絶えず喚起し続けているかを楽しんでもらいたい」と加える。

 キュレーターのデビッド・ロー(盧永強)さんとジョン・ウー(胡兆昌)さんも、「西洋の視点からは、香港はしばしば多様性に満ちたまばゆい『東洋の真珠』と言われるが、地元の人々の目には、深い価値と集合的記憶を宿す存在として映っている。この展示では、来場者に向けても香港を再認識する機会を提供し、交錯する視覚的物語を通じて、デザインがいかにしてこの都市の国際的イメージを形作ってきたかを示したい」と話す。

 7月6日まで。毎週火曜日(祝日を除く)休館。開館時間は11時~午後7時。

 ●=土へんに歩。

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