香港・尖沙咀にある香港スペースミュージアム(香港太空館)は、5月15日、新たなプラネタリウム新プログラム「窗外是藍星之太空旅行(Shenzhou 13 - Space Travel)」の上映を始めた。2021年10月に打ち上げられた中国宇宙船「神舟13号」のドキュメンタリー映像として上映する。
同作品は、中国宇宙船「神舟13号」の宇宙飛行士●志剛さん・王亜平さん・葉光富さんの3人が、2021年10月から6カ月間にわたり、中国の宇宙ステーション「天宮」に滞在した際に撮影したドキュメンタリー。操縦カメラを通して、無重力空間での日常生活や実験の様子、そして窓から見える地球の明かりや都市の夜景を映し出す。
「神舟13号」は2021年10月16日に酒泉衛星発射センター(宇宙センター)からロケット「長征2号F」で打ち上げられ、当時の中国最長滞在記録を樹立した。その後は「天宮」に接続し、6カ月間の宇宙科学・探査ミッションを行った。「天宮」は、コアモジュール「天和」と2つの実験棟「問天」「夢天」を組み合わせた宇宙科学実験基地で、宇宙飛行士が長期滞在できる「家」の役割を果たす。
同映像は、中国初の8K宇宙実写映画で、昨年9月は中国、10月は香港でも上映した。上映時間は28分で、実写映像に加え、CGアニメーションも追加した。宇宙ステーションと軌道上で組み立てられていく過程や、神舟宇宙船がコアモジュール「天和」にドッキングするシミュレーションを再現する。
宇宙生活の紹介では、宇宙飛行士の汗や尿を効率的に回収・精製し、再び飲料水や生活用水として再利用する水循環システムを紹介。「水餃子(ギョーザ)」「麻辣鴨(マーラーダック)」などの中国の伝統料理を宇宙食として提供し、過酷な宇宙環境にいる宇宙飛行士の栄養バランスを満たすだけでなく、精神的な癒やしや味覚の満足感をいかに満たすかの問題にも触れる。
活動紹介では、2回の船外活動のほか、宇宙ステーションの狭い空間で旧正月のお祝いや、長期の無重力環境がもたらす筋肉の萎縮と骨密度の低下を防ぐため、毎日規則正しく鍛錬する姿が映し出される。中国本土の女性宇宙飛行士として初めて船外活動を成功した王さんの映像も収められた。
最新の「神舟23号」は5月24日に打ち上げられ、初の香港出身の宇宙飛行士である黎家盈さんも同乗していることで注目を集めている。1982年11月生まれの黎家盈さんは香港大学でコンピューターサイエンスの博士号を持ち、元々は香港警察の警視で、サイバー犯罪捜査などに従事していた。第4期宇宙飛行士の選抜における初の香港・マカオ地域ペイロードスペシャリスト募集で選出され、今回は主に宇宙空間での高度科学実験、データ収集、実験機器の操作を担当する。「天宮」でのミッションは「23号」を3人の宇宙飛行士に引き渡すことで、7カ月間滞在した「21号」の宇宙飛行士3人は5月29日現在、「22号」で地球への帰還を目指している。
ナレーションは広東語で、金曜・土曜の最終上映が英語。広東語・中国語・英語対応の音声ガイドも貸し出す。
上映時間は、平日=15時30分~20時、土曜・日曜・祝日=14時~18時30分。火曜休館。料金は、前方座席=大人30香港ドル、子ども・シニア・障害者=15香港ドル、後方座席=同40香港ドル、同20香港ドル。2027年2月14日まで。
●=羽かんむりに隹。